Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

宗教と民度

最近、天台宗の尼僧さんが、14年間、同じ天台宗の僧侶から性暴力を受け続けていたと、告発するニュースがありました。。。。。                14年間???何と異常な事でしよう。          南伝仏教 (原始仏教/テーラワーダ) では、女性が出家の比丘と会う時は、必ず、もう一人女性を同伴しなければなりません。同伴する女性は、隣に座って、比丘の話を一緒に聞き、その内容を理解できる年齢の者でなければなりません。。。          要するに、比丘からの性的な要求や金銭的な要求のあった時に、それを証言できる女性が同席して、比丘と女性の会話を傍聴しなければならないのです。。。。。。。       これは、ゴータマ仏陀の決められた戒律の基本です。。。日本の大乗仏教は、【方便】といいつつ、五戒さえも守らず、仏陀の教えから遠く離れてしまいました。。。。。。   政治も宗教も、その国の民度が問われているのだと思います。。。。         追加1:戒律厳守のテーラワーダでも、比丘の性加害は、残念ながらゼロではありません。もう大昔の事ですが、タイで、人生相談に乗っていた比丘が、女性を妊娠させた事件がありました。この比丘はサンガ永久追放処分となりました。台湾では、出家の比丘尼が、比丘に食事のお布施をしている内に妊娠した、という事件があります。この場合、生まれた子供に戸籍を作る事ができません。この子は無戸籍者として、お寺の中で育つより、他に方法が無いそうです。。。。                 出家の比丘尼、メーティラシン (サヤレー)、在家女性は、出家の比丘と一対一で会うのは、戒律違反である事を、知っておかねばなりません。。。。。          追加2:天台宗の尼僧さんは、【言う事をきかないと仏様の罰が当たる】と言われ、震え上がって、性加害に耐えていたそうですが、仏様は罰を与える存在ではありません。己が、人として、不合理な態度て、不合理な行いをなした時に、己の業が悪くなる。積み重なった悪業は、それが熟した時に、その【落とし前】が己に戻って来る(因果の自然現象)、それだけの事です。

★『教海覚舟』〈教えの海悟りの舟〉(45-1)(私家版)

【比丘の財産】                財産には、二種類がある。聖なる財産と聖ではない財産である。聖ではない財産とは、金銀宝石、服飾、家屋、土地や田畑である。聖なる財産とは、信仰、戒徳で、仏陀などの聖者の讃嘆する所の品徳の事である。。。                   何かの戒条を二三日守るのは難しい事ではなく、誰でもできる。難しいのは、どれか一条でも良いが、それを長期に守る事である。故に、在家者が五戒の全て、一条も落とさないで、一週間、それを円満に持守する事を見るのは、稀である。。。        短期間、戒を守る事は難しい事ではなく、何も特別偉大な事ではない。。。。。     しかし、長期的に持戒するのは尊い事である。。。。。。                以下の様に持戒の価値を知るべきである。即ち、一ヶ月持戒する事は一週間持戒するより尊い。一年持戒する事は一ヶ月持戒するより尊い。比丘は一生持戒するが、故に、徳は非常に高く、持戒の価値は計る事が出来ない。比丘は、戒徳を財産として、身に一文もなくとも、持戒する事によって豊かである。戒徳以外に、比丘はその他の多くの善徳を擁している。例えば信(仏法への確信)、智、施、慈、悲等、これらは皆比丘の財産である。具徳の者以外でも、たとえ破戒の比丘であっても、十種の功徳を擁している。まさに《ミランダ王問経》に言われる様に:

三婆々来たる

先日、神戸から船に乗って、親友が、我が精舎に来てくれました。。。           顔ぶれは、75歳 A, B, C さんの三婆々と、Aさんのお姉さんと同娘さんの、合計5人。。。。。。。。                 Aさんは、小中学校で、私が困っている時に、何度も助けてくれた親友であり、恩人でもあります。。。。                   Bさんは結婚して、今は、芦屋のマダム。Cさんはアメリカに留学して、そのままアメリカに居住、今回は一時的里帰り。航空会社にお勤めでしたので、80歳までは飛行機乗り放題、今回も、この大甘の特権を駆使して、故郷神戸に戻って来たそうです(笑)。。。               75歳の親友 (小中一貫校ですから、六歳からの幼馴染) が集まってワイワイガヤガヤ、昔話に花を咲かせて、楽しかったです。。。。。                    Aさんは、神戸を出発する前に、乾麺、お菓子、茶葉、お好み焼き粉等が詰まった宅急便を送って来てくれました。。。。。。。。                75歳の今も、気配りの人、慈悲の人であります。。。。。。。。。。。。              Paññādhika Sayalay(般若精舎)。。。。

★『教海覚舟』〈教えの海悟りの舟〉(44-7)(私家版)

注1=今のジュムナ河。ガンジス河の支流。注2=今のサラユ河。ガンジス河の支流。注3=今の West Rapti 河。ガンジス河の支流。注4=昔はマソ河とも言う。ガンジス河の支流。。。。

★『教海覚舟』〈教えの海悟りの舟〉(44-6)(私家版)

“Yā manussesu sampatti, yā ca devesusa mpadā. Na sā sampannasīlassa, icchato hoti dullabhā.“                 “人間界での幸福であっても、諸々の天界での幸福であっても、戒を具える者には願があるが、それは決して得難いものではない。“                  “Accantasantā pana yā, ayam nibbānasampadā. Mano sampannaīlassa, tameva anudhāvati,“ “諸々の戒において成就した者は、その心は常に(戒に)追い従う。(それは)無上の涅槃の徳であり、又、究極の静寂の楽である。“             《若希望経》においては、尚、非常に多くの持戒の功徳が説かれている。例えば、(己と)同じ梵行者に歓迎される等である。総じて戒徳は、世間と出世間において、全ての富・財産を齎すのである。。。

★『教海覚舟』〈教えの海悟りの舟〉(44-5)(私家版)

“Sobhantevam na rājāno, muttāmanivibhūsitā. Yathā sobhanti yatino, sīlabhūsanabhūsitā.“          “国王は(その身体を)マニ珠で大いに飾ってはいるが、行者が戒で以て荘厳し、光り輝いているのを知らない。“                  “Appakāpi katā kārā sīlavante mahapphalā. Hontīti sīlavā hoti pūjāsakkārabhājanam.“         “たとえ持戒者に小さな恩恵を与えたとしても、極めて大きな利益を得る事ができる。故に、持戒者には礼を尽くし、彼は尊敬され、敬奉され、護持・保護されなければならない。“             (既報の通り、パーリ語 d  l m n t 等につくべき上下点は省略されています。)

★『教海覚舟』〈教えの海悟りの舟〉(44-4)(私家版)

“Sīlagandhasamo  gandho, kuto nāma bhavissati, Yo samam anuvāte ca, pativāte ca vāyati.“                     “その様な良い香り、戒徳と同じ様な良い香りのするものは、(他に)ない。戒の香りは、風に乗って漂うだけでなく、逆風によって送り届けられる時がある。“                  “Saggārohanasoānam, aññam sīlasamam kuto, Dvāram vā pana nibbāna, nagarassa pavesane.“     “どこに戒と同じくらい殊勝な、天へと続くはしごがあろうか?どこにこの戒より更に殊勝な涅槃の門があるだろうか?“