8-6-3 禅相の(巧みな)掌握
禅相を巧みに掌握するとは:
(一)安般念、またはその他の業処を通して、未だ生じた事のない心一境性の相(禅相)を生起させる事に、巧みであること;
(二)すでに生起した禅相を、育成するのに巧みな事;
(三)育成して、すでに獲得した禅相を、保護する事に、巧みな事。
以下で説明するのは、最後の項目である。
8-6-4 心が精進するべき時に精進する事
もし、禅の修行者が、安般念によって、ジャーナに到達したいと思っている時、七覚支をバランスする事は非常に重要である。
七覚支とは:
1, 念覚支(sati):似相を明記し(=覚えている事)、かつ、持続的に、似相を識別する;
2, 択法覚支(dhammavicaya):似相について、徹底的に理解する;
3, 精進覚支(vīriya):似相において、諸々の覚支を統合する事、バランスを取る事、に努力する。特に、択法覚支と精進覚支自体を、強化することに努力する;
4, 喜覚支(pīti):似相を体験する時、心中に歓喜があること;
5、軽安覚支(passaddhi):(+心が)似相を対象とした時、心と心所が平静であること;
6, 定覚支(samādhi):似相に対して、一心に専注する事(心一境性);
7, 捨覚支(upekkhā):心の平等性、心をして興奮させない事、または専注している似相から退出しない事。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-51につづく)
Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>