Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-31

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

5、独居に欠けた意楽者:あなたは現実社会の中において、積極的に、衆生に対して支援・援助しているために、修行することができない:

あなたは慈悲心さえあれば十分であり、人々・群衆から離れて禅の修行をしなくても、依然として、証悟することができる、と考えている。

原因:仏法を聞いた後、あなたは修行を始める。あなたは(+修行の)基本である所の布施、持戒と禅の修行をしてみた所、利益・収穫が多い事に気が付いた。

あなたは多くの人々と、このことを共に享受しようとし始める。そして、多くの人々が、次から次へとあなたに会いにやってくるようになる。

あなたは徐々に、各種の異なるレベルの、善くて巧みな方法は、上記の(+修行の)基本的なレベルにおいて、衆生を支援することができる事を、発見する。

最初、あなたは、あなたの家族を支援し、次に親戚や友人を支援し、やがて、その後においては、絶え間なくあなたを訪ねて来る人々に対応する為に、時間がなくなり、更に高いレベルの智慧を証悟する為の時間を、作ることができなくなるのである。

あなたは、これらの人々と離れては、何も良いことがないと思う;

あなたは今が一番良いと思う;

というのも、あなたは、人々の生活を積極的に改善しているのであり、それ故に、あなたは(+将来)絶対に、証悟することができるのだと、思いなしているからである。

これが、独居に欠けた意楽者である。

(3-32につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>

まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-30

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

4、出離の欠けた意楽者:修行の目的を、名声、富、権力を累積する事に置き、強烈な動機をもって修行する。

原因:聖者と呼ばれる人が、何千何万という信徒と、名声、権力を得ているのを見て、羨望する。世間の色々な利得を得るために修行する事、これが、出離の欠けた意楽者である。

出離意楽者:私は、証悟することを通して、八風(利、衰、名誉、毀誉、褒貶、いじめ、楽、苦)によって動揺することがないように願う。

原因:現代社会の中において、成功した人は、富・財産を得、そのため、名声、権力と友人も共に手に入る。しかし、命とは、山あり谷ありであり、彼もまた、その反作用を喫するに違いない。

得る所有れば失する所あり・・・名声を博せば誹謗があり;楽しさがあれば、悲哀があり;称賛があれば、叱責がある。商業的な利益の衝突の為、良き友人も敵になる。

あなたは、一切の有為法または現実の中において、あなたがただその良い面だけを受けとろうとしても、それはできない事だと知るだろう。

あなたは、有為法を超越する証悟を得ることを渇望し、あなたは心底、この八種類の世間法に干渉されない人をうらやましく思う;

あなたは、意楽の修行を激発し、名声、地位、世間的快楽(=楽しみ)に向く事はない。

これが出離意楽である。

(3-31につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-29

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

無痴意楽者:私はこれらの善行と禅の修行を通して、何時の日にか、一切の善を超越し、涅槃を体験したいと思う。

原因:悪業を為さないという事と、積極的に善行をなせという教え以外に、一人の智慧ある人間は、心を浄化する教えも、聞聴しなければならない。

愚かで無知である事の禍と、法に対する強烈な執着を取り除く為に、我々は、法もまた筏の一種である事を、理解しなければならない。

我々は、この筏に乗って、怒涛渦巻く輪廻の海を渡り、彼岸に到達しなければならない。

(+仏道の実践を)始めたばかりの頃、あなたはいまだ、無明を具し、強烈な信念でもって、一切の任務を履行しようとする。

しかしながら、あなたの智慧が育った後では、たとえ、時には禅の修行ができない場合があったとしても、歓喜(=嬉しさ)と清明な心を保持していさえすれば、あなたは、益々目標に近づいているのだ、ということを理解する!

ただ、あなたが因縁法または有為法(善法も含む)に執着しない時にだけ、あなたは徐々に、因縁法を超越する事ができるのである。

故に、あなたは正しい心性をもって、修行しなければならず、法もまた、証悟の方法にすぎず、法そのものは、証悟ではないことを、理解しなければならない。

修行に精進することは重要ではあるが、法には執着しない事。証悟に執着しない、正しい心性もまた、同等に重要である。

法に対する執着はまた、証悟への障礙となる。

あなたは、涅槃へと向かいたいのであれば、一切の執着を捨てなければならないが、それは、仏法自体にも執着してはならいという事を、含むのである。

このような正しい見解を具備する意楽が、無痴意楽である。(3-30につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>まで。

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-28

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

3、痴行意楽者:私は心底、善を行い、禅の修行を実践し、その後に悟りたいと思う。

原因:仏法を聞いた後、あなたはようやく、証悟に対する、善行の種を蒔く事の重要性を認識することができた。

故に、あなたは積善をしようとする。

あなたは善を行い、禅の修行に取り組み、毎日祈願する。このことは、初学者にとっては正しい実践である。しかし、日が経つにつれて、あなたは、これらの実践は、ただただ、一切の因縁法を超越する方法に過ぎないのだという事を、忘れてしまう。

時に、あなたは、あまりの忙しさに禅の修行を忘れてしまう事があるが、あなたは禅の修行にあまりに執着しすぎているため、そのことで、過剰に己自身を責めたりする。

また、あなたが非常に多くの善行為をなした時、あなたは善行為に執着する余りに、あなたはそれを自慢するだけでなく、傲慢にさえなるのである。

あなたはこれら一切の善行ーー諸々の布施、持戒、禅の修行などの善法ーーもまた、いつの日にか、一切の因縁法を超越せんがための、蓄積に過ぎない事を、忘れてしまう。

これが、痴(=愚かさと無知)を含む意楽(痴行意楽)である。

(3-29につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

 

是誰庵のひとやすみ~因幡の白ウサギ

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↑ 爆睡中のオハナ、3mmカットで、因幡の白ウサギ!

胸の湿疹が悪化しないように、リードは麻ひもに変更。

 

我が家の愛犬オハナ君、先日散髪(いえ、セレブの方々は、トリミングって言うらしいです~笑)に行きました。

ちょっと遠出して、隣町のトリミング・スクールのモデル犬(安いです~笑)をして、うんと短毛にしてもらい(3mm)、うんと可愛くなりました。

ところがところが、オハナ、家に帰ってから、胸をかきむしって、うっすら出血・・・。

最初は、散髪した時のカミソリ負けで、皮膚が荒れたのかと思いましたが、前にも、耳の後ろをやたら掻いていた事があったので、「もしかして皮膚病?」と、急ぎ、動物病院へ。

動物病院では開口一番

獣医師:

「あらら、犬、こんなに毛を短く切っちゃぁ、だめですよ」

「こんなに短く切ったら、もう二度と生えてこないってこともありますよ(どうすんです!!)」

「犬は人間より皮膚が弱くて、毛で身体を守っているというのに、何て事を!」

私「・・・」(暑さ対策なんですけど、ダメでした?)

先生が検査すると、耳の付け根、胸、股の所の皮膚が、湿疹のように赤くなっていました。

軟膏を塗って頂き、10日分の飲み薬を貰って帰ってきました。朝と夕、薬はソーセージに挟んで、無理やり口の中に押し込むようにして、飲ませています・・・

オハナ「最近、食事がゴージャス~♪」

病名、聞き忘れましたけれど、先生、笑っていらしたから、大したことはなさそうです~ホッ。

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-27

     <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

2、瞋恚意楽者:私はこの世界が好きではない。

原因:あなたが多くの不如意に出会う時、あなたは、世の中のすべてに不満で、世間に対して、怒り、恨む。

または、あなたは人間関係で失敗したことがあり、故に、男性または女性に憤怒を覚え、あまつさえ全世界を瞋恚する。

もしかしたら、あなたは、己の商売において、多くの心血を注いだにも関わらず、共に商売に取り組んでいた、最良の親友に裏切られたのかも知れない。

あなたは全世界に対して怒りを発し、あなたは二度と親友に会いたいとは思わない。

こうして、あなたは証悟の道へ歩むように、方向を転換した・・・こうすれば、あなたは、不当な人々に会う必要がなくなり、彼らから自由になれるから。

これは、瞋恚を含む意楽である。

瞋恚の無い意楽者:私はこの無常なる世界に対して厭離したいと感じる。

原因:上記の人は、如実知見の人である。

あなたは、世界における各種の不円満を見る時、初めの頃は、あなたの心には、憤怒が潜んでいるかもしれない。

しかし、瞋恚の禍を見て、また因果業力の法則を知った後では、今世で、自分自身が傷つけられるのは、過去世において、己自身も他人を傷つけたことがあるかも知れないという覚醒・悟りに至る。

あなたはこうして、寛容の心を育成し、他人があなたにした色々な間違いを、寛恕するようになる。

徐々に、あなたは、一粒の寛容の心をもって、あなた自身の色々な出来事・不幸を反省するようになる。

あなたは、あなた自身にどれほど周到な計画があっても、結果は往々にして、意外なものなることに気が付き始める。

他人もまた同じである。

この世界をコントロールできる人は一人としておらず、故に、この世界において、永遠に意のままに過ごせる人など、一人もいない。

こうして、あなたは、世界の無常性を気づき始め、この無常性に対して厭離を感じる。

最後に、あなたは、無常を超越するには、証悟を得るまで、修行をしなければならない事を、理解する。

このような、正確な見解を具有する意楽は、瞋恚のない意楽である。

(3-28につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

☆「掌中の葉」(翻訳文)3-26

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

1、貪行意楽者:私は証悟しなければならない。

原因:上記(1)の事柄は、元々、既に、非常に執着の激しい人に発生する。

彼は世間的な名声と利益、地位を追求しており、また既に、非常に成功している場合もある。

しかし、一たび失敗したならば、彼は打ち続く挫折に耐えきれないで、宗教的な庇護を求めるようになる。

彼は、己の面子の回復のために、己が失敗者でないことを証明しようとする。こうして、彼は一心に涅槃を証悟したいと思いなすが、これは貪欲を含む意楽である。

無貪意楽者:漏尽者の証悟を得られますように。

原因:貪欲の禍を見た後の、その初めにおいては、あなたは、己をコントロールしようという欲を放下(=手放す)ことができない。しかし、あなたの誠意によって、徐々にではあるが、あなたは出離の心を育成することができ、何かを成就しなければならないという執着はなくなる。

証悟とは、欲求の成果ではなく、欲求を放下した時の成果である。

たとえ「聖者」、たとえば、漏尽者になりたいという希望でさえも、余計な事なのである。故に、あなたは、ただ証悟した後においてのみ、あなたの心が欲有・・・「聖者」になりたいという欲望、貪欲から解脱することができることを、真正に理解しなければならない。

「聖者になりたい」と思う事は因・縁法の内である;

証悟とは、「聖者になりたい」いう境地、想いからの超越であり、証悟されるのは究極無為法(因・縁の法を超越している)である。

このような正確な見解を具有する意楽が、無貪意楽である。

(3-27につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>