Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~従安般至禅定

本日は、台湾嘉義法雨道場出版の「摂阿毘達摩義論表解」(簡略版)の、一頁目の写真をブログに載せて、紹介したいと思っていましたが、フラッシュを焚かなかったせいで、写真がはっきりせず、後日、再度挑戦します。

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その代り、以下のダンマブック(中国語版)を紹介します(この本の表紙の写真は、明日載せます→

3月1日表紙、UPしました。)

安般念の初歩段階から禅定までの進め方を、非常に分かりやすく解説している本です(初心者の方、中級の方共に、参考になると思います。)

皆さんは、中国語版は読めないと思いますので、以下に書きます情報を元に、英語版が無いか、探してみて下さい。私は英語が苦手で、英語版を探し出す力がありません。

各自で挑戦の程、よろしくお願いいたします。

【題名】 従安般至禅定

【著者】 悉達拉(古美=gumei)大長老

     (Sayadaw U Cittara)

【翻訳】 明徳比丘(Sujutiko Bhikkhu)& 釈祖道 

【出版】 法雨道場

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

般若の独り言~信じる者は騙される

先日、水中運動を終えて雑談していましたら、運動仲間の、男性の方が一名、チラチラこちらを見ながら

「信じる者は救われるんだよねぇ」

と皮肉っぽく言います。

どうやら、キリスト教の教えと、ゴータマ仏陀の教えを混同して、無神論者の立場から、私を批判している様なのです(私は頭が丸坊主で、緬甸で出家した事を、彼は知っています)。

また、<COVID‐19(武漢肺炎)>の為に、週一回の水中運動教室が今後、3月、4月(or5月?)までお休みになる事を受けて、指導者が

「体操していれば健康になると信じて、一人一人、各々

個人で頑張って下さい。」

そして、判で押した様に

「宗教みたいだけど」。

キリスト教はいざ知らず、ゴータマ仏陀の仏教は

「偉い人の教えであっても、古くから伝わる教えであったも、安易に信じない」

「己自身の修行によって実証せよ」

がモットウなんだけど・・・

まぁ、抗議するのも大人げないので、その場ではだまっていましたけれど。

私の手元に、台湾の法雨道場出版の『摂阿毘達摩義論表解』の簡易版があります。

一頁目は:

【89心(121心)明細表】

心はその性質によって89(121)種類に分類する事が出来る・・・という訳ですが・・・これ、別に信じる必要はないのです。信じるのはなくて、観(vipassanā)瞑想で確認するのです(信じても、何の役にも立たないのです)。

信じる者は騙される・・・これ、ゴータマ仏陀原始仏教の教え。

明日より、『摂阿毘達摩義論表解』(簡易版)の一部を写真に撮って、そのままブログに載せて、ご覧いただきましょう(PCの入れ替えなどもあり、ボツボツやります)。

翻訳はしません、悪しからず。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

般若の独り言~無常が故に急ぎ精進せよ!

当ブログに掲載しました<湯布院法話会中止>の告示を読まれた法友の方から

「一年間のご準備、御苦労さまでした」

という、ねぎらいの言葉を頂戴いたしました。

この一年間、私が一人東奔西走して、湯布院での法話会を準備したものですが(東京は釈法広比丘尼担当)、日本における<COVID-19(武漢肺炎)>の蔓延により、この度は、非常に残念な結果になりました。

ゴータマ仏陀の遺教:

「無常が故に急ぎ精進せよ!」

この呼びかけは、今回の<COVID-19>の悲惨な経緯を見ても、その先見の明は、明らかです。

これまで、世界の工場であった中国が、李文亮医師の警告をデマ扱いしたその日から、国民と経済に壊滅的な危機を齎すに至り、その余波を受けた日本もまた、苦難の道が待っているかの様に思います。

無常である・・・これは

《世界が一瞬にして変化してしまう、その時、己の命もまた維持しがたい》

という事と同時にまた

《色(身体、物質、素粒子)と心・心所は、有為なる事象であり、刹那生滅するものであり、儚いものであり、依存してはならないものであり、その事に覚醒する為に、精進せよ!》

と、ゴータマ仏陀はおっしゃったと、私は理解しています。

「無常が故に急ぎ精進せよ!」

今ほど、ゴータマ仏陀の遺教が胸を突く時はありません。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

湯布院法話会中止決定

読者の皆様へ

昨日、U Puññānanda Sayadaw より、

「3月13日に来日し、東京と湯布院の二か所で法話会を開催する予定であったが、この度、訪日を断念し、法話会開催を見送る事を正式に決定した」

との、ご連絡がありました。

大変残念ですが、COVID-19(武漢肺炎)がパンデミックの情況を呈してきましたので、法友各位の健康に鑑み、湯布院法話会(東京含む)の開催を中止いたします。

これまでの一年間の準備期間中、励ましと助言を頂いた方々、お布施を頂きました方々に、心より感謝申しあげます。

皆様におかれましても、流行が終息するまでの間、お身体ご自愛下さいますよう、お願い申し上げます。

来年以降、いつか<天地人>の揃う時、皆様には、 止・観

(サマタ・vipassanā)瞑想指導の善巧者であります 

U Puññānanda Sayadaw にお会いできる日の来ることを、心より祈願しています。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

湯布院法話会の今後

U Puññānanda Sayādaw による

<湯布院法話会>を楽しみにされている皆様へ

COVIDー19(武漢肺炎)が日本に上陸後、感染が拡大の一途を辿っており、パンデミックの様相を呈してきました。

「湯布院法話会(東京含む)を実施するか、中止するか、ただいま考慮中」

と、 Sayadaw の 秘書尊者からメールが来ました。

台湾もアメリカも、渡航警戒レベルを引き上げましたし、情況は困難を増してきたと思います。

実施か中止かに関わらず、ご自身の身体はご自身で守る・・・どうか無理をされず、COVIDー19(武漢肺炎)終息まで、お身体ご自愛くださいますよう、お願い申し上げます。

今後、Sayadaw より、開催可否の連絡があり次第、ブログに公開しますので、もう暫くお待ち下さい。。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

 

般若の独り言~自壊する日本型仏教

本日、ITのニュースを読んでおりましたら、

保阪正康『自壊する日本型エリート』

という一文に、出会いました。

それは・・・

【明治時代の日本軍は<皇軍>といい、天皇に忠誠を誓っていた。その天皇とは、当時、実際に生きて身・心を持つ所の、明治天皇その人であった。

昭和になると、日本軍は、自らを<神軍>と名のり、神武天皇という、一度も実在した事のない神、抽象化された概念に、忠誠を誓う様になった。

そうなれば、軍部で発生する誤り、誤謬は、誰も責任を取らない。

抽象化された神は、軍部を批判する事がない、が故に。

そしてタガの外れた日本軍と、現代の日本のエリートは、同じ型、性質を保持している・・・云々】

この記事を読んで、私の脳内には、

《自壊する日本型仏教》

という言葉が生まれました。

ゴータマ仏陀の金口(パーリ三蔵、アビダンマ仏教)を忘れ・・・もちろん、2600年もたてば、アビダンマ仏教がまったくもって、1%たりとも変質していない、とは言えないけれども、変質の幅、程度は、大乗より少ない・・・、何々如来という抽象化された対象に帰依し、修行しなくても、死ねば誰でもが阿弥陀様の蓮の台・・・

仏教的実践を間違えても、守るべき基準、戒と律を制定したゴータマ仏陀は眼中になく・・・

僧侶が結婚しようが、墓を売ろうが、戒名を売ろうが、誰に批判されることもない。

日本軍を、<日本の仏教界>と入れ替えれば、納得、納得。

仏教徒は、その帰依の対象を、後発の、抽象化された大乗の如来に置くのではなく、2600年前に、インドの地に、生き生きと生きて、生活の中において、悟りの自説を展開し弘法伝道したゴータマ仏陀その人に置き、その声に耳を傾けるべきだと、私は思います。

(ただ、ゴータマ仏陀に帰依すると言えども盲従、盲信してはならず、パーリ三蔵を読み、研究し、自分の頭で考え、試行錯誤しながら、実践と修行を積み上げていくべき。<ゴータマ仏陀の威を借る狐>になってはならない)

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

 

Remember武漢

21日のブログに

《<武漢肺炎>は差別用語であると、法友から指摘があった為、WHOの定める【COVIDー19】に表記を改める》

と書きました所、別の法友から

「それは差別用語ではない。新型コロナ肺炎は、確かに武漢から発生したのであり、多くの犠牲者を忘れない為、Remember武漢の為に、<武漢肺炎>と呼ぶべきだ」というご意見を、頂きました。

私は、新型コロナ肺炎を<武漢肺炎>と呼ぶ事によって、武漢の人々が馬鹿にされたり、ばい菌よばわりされたりするならば、大変に遺憾に思いますし、WHO制定の【COVID-19】を使う方がよいと思う人がいても、ムベなるかな、と思っています(その為、書き換えを実行しました)。

しかし、去年年末から今年にかけて発生し、今の様に蔓延して、多くの犠牲者を出した【COVID-19】は、明らかに人災です。

李文亮医師が、12月末、仲間内のチャットで

「この肺炎は異常で、SARSに似ている。すぐに対処しなければ、大変な事になる」

と警告した事に、武漢市武昌区(注1)の警察(権力)が介入し、始末書を書かせて、彼の口を封じました。

今、政府を、声を上げて批判している清華大学の許教授も行方不明、市民ジャーナリストの陳実秋氏も行方不明・・・。

ここは、資本主義がよいだの、社会主義の方がよいだのと議論する場ではありませんが、李医師とそれに続く武漢肺炎の死者、罹患者は、中国の一党独裁、強権主義、隠蔽体質の犠牲者である事は否めないでしょう。

【Remember 武漢

李医師が、一児と身重の妻を残して、この世を去らざるをえなかった、その彼が残した遺書は、涙なくして読めないものです。

武漢で発生した新型コロナ肺炎は、あえて<武漢肺炎>と呼びたい、という人々の意見、心意も無視してはならない、と思います。

私は、両者の気持ちを考慮して、ブログでは

【COVID-19 】(発生初期に武漢肺炎と呼ばれた伝染病)

と表記しました。ご理解の程よろしくお願いいたします。

(注1)武昌は、清朝政府の倒れる切っ掛けを作った、武昌起義(蜂起)、第一次革命の場所です・・・奇跡はなるか。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>