Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵日記>毛糸のパンツ

友人が「赤色の端切れが欲しい」と言うので、布地をしまってある押入れを開けて、色々物色していたら、ふる~~い毛糸のパンツが出てきました。

懐かしいなぁ。

これは祖母が、高校生になったばかりの私(50年前!)に編んでくれた毛糸のパンツ、糸は兄の小さくなった色々なセーターをほどいて、湯気に当てて引き延ばしたものを二本取りにしたもので、ゆえに模様は、<霜降り+ボーダー>になっています。

3年前の引っ越しの時、私、これをしっかり引っ越し荷物の中に入れてきた模様。

さて、履いてみたら幸いな事に、まだ履けました(~体型変わっておりません、です~笑)。ただし、股の所が虫食いや何かで、大分ほころんでいます。

早速、孫のマントを作るために買ってあったカシミヤ混のウールを出して来て、これをほころびの穴の大きさに切って、ミシンでつぎはぎしてみました。毛糸のパンツは、冬、ズボンやスカートの下に履くので人に見られるわけでなく、つぎはぎがあっても別に恥ずかしくもなかろうとて、修理なったパンツを、今年の冬から着用する事にしました(<昔の乙女>は怖いものなし、恥もなし~笑)。

しかし、祖母は文盲(北京語も日本語も読めない。話せるのは台湾語だけ)で、おまけに暑い台湾で育った人なのに、どうして一冊の本も参照せずに、毛糸のパンツの増やし目とか減らし目とか、股の所のマチ(ひし形)とかを、寸分間違えずに編むことができたのだろうか?(祖母は毛糸の靴下も編めましたねぇ・・・)。

彼女のそんな不思議な能力を思うと、このパンツを捨てる事が出来ませんでした、50年もの間(苦笑)。

それに、私がこの毛糸のパンツを大切にしている理由をもう一つ。

先に祖母は、一枚の毛糸のパンツを編んで私に「女の子は腰を冷やしてはいけないから、冬にはこれを履きなさい」と言って渡してくれたのですが、当時の高校生は車ヒダのスカートを着るので、(デカパンみたいな)毛糸のパンツを履くと、スカートのヒダが広がって、おデブさんに見えて、とっても恰好が悪い。

それで、そのパンツは履かないでいたら、祖母が「なぜ履かないのか?」と聞く。「(デカパンは)スカートが広がるから嫌だ」というと、祖母はそれをほどいて、もう一度新たに編み直してくれました。新しく出来上がったパンツは、私の腰回りにぴったり、腰に吸い付くように編まれていて、制服のスカートのヒダが広がる事は、ありませんでした。

そんな訳で、私はこの毛糸のパンツが、祖母からのプレゼントの内でも、一番気に入っている、大事な大事な宝物なのです。