Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵仏教談義~40>機嫌よく生きる

私は子供の時から仏教が好きで、長く独学を続け、大人になってからは、タイや緬甸(ミャンマー)に行って僧侶と問答したり、修行したりしてきました。

で、仏教とは何ぞや?と問われれば、それは学処(=戒・律)・禅定・智慧の三学です、と言います。三学とは何ぞや?と問われれば、八正道だと答えます。しかし、ここから話はドンドン深く、難しくなって行って、四聖諦を説明するのは至難の業(私にとって、ですが)。

ゴータマ仏陀は、自分の教団に属する出家修行者が喧嘩をしたり、不作法をする度に戒と律を設けました。それが比丘では227条、比丘尼では350条にもなってしまい、ある時一人の信者さんがやってきて「あれを守れ、これを守れと面倒で仕方ない」「仏陀の教えは何か、一言で言ってくれ」と言います。仏陀は「心を清らかに」と一言、教えますが、今度は信者さん「そんな簡潔な言葉一つでは分からないよ」。で、仏陀「ならば227条の戒と律を守りなさい」(笑)。

私は先日、ふと、イヤ~~な気分になりました。でも本当の理由がよく分からない(多分、潜在意識から、何か不安感のようなものが突き上げてきたのでしょう)。で、得体の知れない不快な気分を、座禅・瞑想して(禅定に入って)じっと観察してみました。

分かった事は

(1)潜在意識から泡のように湧いてくる不安感は、その原因・源泉がなかなか掴めない。

(2)このタイプの不安感、不快感は、打ち寄せる波のように、定期的に寄せては返すので、相手にしない方がよい、という事でした。

そう決めて、相手をしない内に、いつの間にか、私はいつもの<機嫌のよいおばちゃん>に戻っていました。

病気をした時の不安感はなかなかぬぐえないものですが(私の場合です)、根拠のない不安感に翻弄されないという決意と意識をもてば、日常生活は相当楽しいものになると思います。

今の私が仏教を一言で言ってと乞われれば「機嫌よく生きよう」ですね(但し、人をいじめてスカッとした、というのはナシですよ)。。