Sayalay's Dhamma book

中国語で書かれた仏教書(主にテラワーダ、南伝仏教系)を日本語に翻訳して公開。たまには<般若の独り言>にて日常の心模様を独白します。

パオ・セヤドー問答集~#037>問答(五)問5-1(前半)

#037-150802

問5-1 四禅八定(samāpatti)は修行者を支えて、名色識別智(nāmarūpa-pariccheda-ñāṇa)に到達させ、修行者をして名色の微細な生滅を照見出来るようにし、そして、その事によって、これらの名色を厭離し、道智を証悟(maggañāṇa)させます。このこと以外に、四禅八定は、他にどのような利益がありますか?

答5-1 禅定の修行には五つの利益があります:

  1. 現世の安楽住処(diṭṭhadhamma-sukha-vihāra現法楽住):今世において、ジャーナの楽しみを享受します。これは特に純観行阿羅漢(suddha-vipassanā-yānika-arahant)について言われます。彼らは阿羅漢果(arahattamagga and arahattaphala)を証悟した後で禅定を修するが、それらのジャーナは、それによって今世の禅楽(jhāna-sukha)を享受する事が生じる以外、その他の作用は生じない。というのも、彼らは仏陀のダンマの内、比丘の実践するべき事柄、すなわち四道と四果を証悟する事を完成しているからです。           比丘の責任とは、教理(pariyatti)の学習と、観禅(vipassanā)の修行及び阿羅漢果の証悟です。純観行阿羅漢はすでに完全にこれらの任務を遂行しており、これ以上するべき仕事はなく、故に彼らのジャーナの修行はただ、今世の禅楽の享受をのみ生じせしめるだけです。これが禅定の第一番目の利益です。

  2. 観禅の利益(vipassanā-nisaṁsa):ジャーナは修行者を支えて観禅(vipassanā)の結果を得られるようにします。禅定によって、修行者は究極名色及びそれらの因縁を照見する事ができます。禅定の助けによって、修行者は名色とその因縁の無常・苦・無我の本質を識別する事ができます。修行者が徹底的に観禅(vipassanā)の修行をする時、特に行捨智(saṅkhārupekkhā‐ñāṇa)または道智(maggañāṇa)と果智(phalañāṇa)に到達した時、通常は、ジャーナ法(ジャーナの名法)も安定します。ジャーナ法は観智を明晰・明白に、かつ強くて力のあるものにします:強くて力のある観智もまたジャーナを守り、減衰しないようにする事が出来ます。                       また、修行者が観禅(vipassanā)を長時間修行した後、疲れを感じる事があります。疲れが出た時、彼はどれか一つのジャーナの中で長時間安住する事によって、疲労を癒す事が出来ます。彼の心が活力を取り戻した後、再び観禅(vipassanā)の修行を始めるのです。再度疲れた時は、彼は再び禅定に入って休息するのです。

このように、止禅の援助の下、観禅(vipassanā)は明晰、明白で、強くて力があり、かつ確固たるものになります。観禅(vipassanā)は、止禅の障礙となる煩悩を滅し除く事が出来るので、(増々)ジャーナの安定を保つ事が出来るようになります。このように、止禅は修行者に観禅(vipassanā)の利益をもたらし、かつ観禅を保護する事ができます。これが禅定の二番目の利益です。(後半に続く)

(翻訳文責Panña-adhika sayalay)

初めてご来訪の方へ:上記は、台湾より請来した「禅修問題与解答(パオ禅師等講述)」(中国語版)の翻訳です(仮題「パオ・セヤドー問答集」)。「智慧の光」「如実知見」の姉妹版として、アビダンマ及びパオ・メソッドに興味のある方のご参考になれば幸いです。(一日又は隔日、一篇又は複数篇公開。日本及び海外でリトリート中は、ブログの更新を休みます)。