Sayalay's Dhamma book

中国語で書かれた仏教書(主にテラワーダ、南伝仏教系)を日本語に翻訳して公開。たまには<般若の独り言>にて日常の心模様を独白します。                    2018年5月25日クムダ・セヤドーより初心者瞑想指導の許可を得る。 コメント欄はどなたも利用OKですが、リトリートに入っている時は回答致しません。

パオ・セヤドー問答集~#290~299>問答(16)問16-20~16-29<戒学疑問編>10編。

☆11月より長期リトリートに入る為、公開の翻訳文が少し多くなっています。よろしくお願いいたします。

#290-151008

問16-20 禅師にお尋ねします。一日間だけ8戒を守るとして、時間はどのようにコントロールすればよいですか?ある人は、夜7時から次の夜7時まで守ると言いながら、その前にもその後にも、夕ご飯を食しています。まるで7戒を守っているように見えます。非食の時間、どのような食べ物なら食べてもよく、どのようなものは不可ですか?オートミール、牛乳、ミロ、豆乳、芋汁、コーヒー、3+1のコーヒー等、飲んでもいいのでしょうか?高くて大きなベッドとは、どういうものを言いますか?

答16-20 7戒というものは、ありません。あなたが希望するなら8戒を守って下さい。そうでなければ5戒です。8戒を守る正確な時間は、早朝から翌日の夜明けまでです。夜の7時から翌日の夜7時まで、8戒を守るのは比較的レベルの低い修行です。給孤独長者の下で働いていた雇人は、夜から始まって、半日の8戒を守っていましたが、しかし、彼はその日のお昼からすでに食事をしていなくて、たとえ餓死しても食べようとはしませんでした。

午後過ぎて食事をしないというこの戒は、在家も比丘も同じです。非時には、三種類の薬を用いる事ができます。すなわち、一日の果汁(その日に絞った果汁)、7日薬と一生の薬。一日の果汁とは、多数の果汁を含みますが、濾過されたもので、残渣がなく、加熱していないもの。ある種の果汁は許されないものがあります。たとえば、椰子ジュース、西瓜ジュース、メロンジュース等です。7日薬は五種類あります。(羊の)バター、(牛の)バター、油、蜂蜜と砂糖。一生薬とは、普通の人が食物としては食べない木の根、木の皮、木の葉等。しかし、この三種類の薬は、病気の時だけ、非時に飲む事ができます。たとえばお腹がすいた時等です。オートミール、牛乳、ミロ、豆乳、芋汁、ココア、チョコレート、ヨーグルト及び3+1コーヒーは、非時の時に飲んではいけません。スリランカとタイの仏教の伝統では、黒コーヒーは飲んでもよいです。

高いベッドとは、横木の下の脚部が仏陀の指8つ分長い物を言います。註釈によると、許された高さは、27インチですが、他の伝承では13インチであるとする場合もあります。大きなベッドとは、面積の大きいベッドを言うのではなく、ベッドの上に置く綿、ウールのクッションが4つの指の幅より厚いか、または絵柄のあるウール製の敷き布団の事を言います。

#291-151008

問16-21 5戒又は8戒を受けた後、もし、邪淫または淫を行って破戒した場合、どのように懺悔するのですか?将来、5戒又は8戒を受けたり、出家したりできますか?修行して、ジャーナと道果を証悟する事ができますか?

答16-21 懺悔する必要はありません。もう一度改めて、受戒して下さい。彼は出家してサーマネラにも、比丘にもなれますし、ジャーナも、阿羅漢果も証悟する事ができます。出家する前に多くの人を殺したアングリマーラのように、です。比丘になった後で、阿羅漢果を証悟する事も可能です。

#292-151008

問16-22 四根本戒の一つを違反した比丘が、居士になった後、5戒又は8戒を受ける事はできますか?もし修行するならば、ジャーナと道果を証悟する事はできますか?

答16-22 彼は5戒又は8戒を受ける事ができます。もし修行するならば、ジャーナと道果を証悟する事ができます。

#293-151008

問16-23 すでに波逸提罪を犯してしまった比丘は、戒を受けてサーマネラになる事はできますか?

答16-23 もし彼が波逸提罪を犯した後、即刻当該の罪を告白したならば、彼は戒を受けてサーマネラになる事はできます。ただし、もし彼が当該の罪を一定期間隠し、かつ誦戒(の儀)等に参加したならば、彼は、戒を受けてサーマネラになる事はできません。

#294-151008

問16-24 もし、比丘または比丘尼が、僧残罪を犯した後、一人の比丘または比丘尼に当該の罪を告白したものの、いまだ摩那埵及び出罪(罪を許してもらう事)をしていないとして、その場合、修行をしてもジャーナと道果を証悟できない、という事はありますか?

答16-24 できません。彼(彼女)がすでに別住または摩那埵を実行した後ならば、ジャーナと道果を証悟する事はできます。

#295-151008

問16-24 もし、比丘または比丘尼が、僧残罪を犯した後、一人の比丘または比丘尼に当該の罪を告白したものの、いまだ摩那埵及び出罪をしないまま還俗してしまいました。この場合、このような人は、5戒か、または8戒を受ける事ができますか?修行をしても、ジャーナと道果を証悟できないという事はありますか?

答16-24 彼(彼女)は5戒または8戒を受ける事ができます。もし修行するならば、ジャーナも道果も証悟する事はできます。ただし、彼が改めて戒を受けたとしても、以前に犯した僧残罪は依然として有効で、故に彼は別住又は(別住と)摩那埵の二つを、実行しなければなりません。もし、以前に当該の罪を隠すような事をしていなければ、摩那埵だけを実行すればよいです。

#296-151008

問16-26 五逆の罪を犯した者は、5戒または8戒を受ける事はできますか?

答16-26 できます。アジャセ王がそのよい例です。彼は父親殺しの罪を犯しましたが、その後に敬虔な仏教徒になり、5戒を受けて、守りました。

#297-151008

問16-27 禅師。慈悲で私の疑問と不安を解いていただけますか?禅の修行をしている時、過去に行った罪業によって、業処に専注する事ができません。私は今、どうしていいか分かりません。私は大罪を犯した極悪の凡夫で、救う薬もなく、止観の修行と無縁のように思うのです。禅師、私は止観の修行をやってもよいのでしょうか?道果と涅槃を証悟する事ができますか?私の心内の結(結び目)は、どのようにすれば、取り除く事ができますか?

答16-27 もし、かつて五逆の罪の一つを犯していないならば、あなたは今世で禅の修行を成就する事はできます。

《相応部註》に、ミラカ(Milaka)の物語があります。ミラカは猟師でした。ある日、彼は森の中で猟をしていた時、喉の渇きを覚え、一軒の寺院を見つけ、水を求めて、入って行きました。木の下に置いてある水瓶を見ると中は空っぽでした。その時、一人の大長老が寺院の庭を掃除しているのが見えたので、彼は行って大長老に言いました:「比丘、あなたは他人が供養したものを食べているのに怠け者で、水瓶に水も入れておかない」と。これを聞いて、大長老は大変に訝りました。というのも、彼は庭の掃除を始める前に、水瓶一杯に水を満たしておいたからです。彼は水瓶の前に行って、水瓶の中に水が一杯あるのを確認しました。その時、彼はすぐさま、シャーリプトラ尊者の弟子のローサカティッサ(Losakatissa)の事を思い浮かべました。

カッサバ仏の時代、ローサカティッサは、ある一人の施主が阿羅漢に供養した食べ物を、怒りに任せて捨てました。この悪業のせいで、彼は死後地獄に生まれました。地獄から離れた後、ある漁村の漁師夫妻の胎内に宿りました。彼が受胎したその時から、村全体のすべての漁師が、魚が獲れなくなりました。彼が7歳の時、母親は彼を家から追い出しました。シャーリプトラ尊者は、この貧しい男の子を見て、サーマネラにしました。十分な波羅蜜があった為に、ローサカティッサ尊者は、阿羅漢になりました。しかし、彼は充分な食物を得られた例がありませんでした。托鉢の時に、信徒が供養した食べ物は、彼の鉢に入るや否や、自動的に無くなってしまうのです。

ある日、シャーリプトラ尊者は、ローサカティッサ尊者が、今日般涅槃する事が分かりました。そして、般涅槃の前にお腹一杯食べさせてあげたいと思いました。そこで、托鉢を終えたシャーリプトラ尊者は、彼に食べさせる為に、鉢の中の食物を僧院に持って帰りました。しかし、これらの食物は、一たびローサカティッサ尊者の鉢の中に入れると、消えて無くなってしまうのでした。シャーリプトラ尊者はもう一度托鉢に行き、蜂蜜、砂糖、ゴマ油やバターでできた薬などを貰って来ました。僧院に戻ると、シャーリプトラ尊者は、食物や薬が二度と無くならないように、自分の鉢を手で掴んで離さないでいました。こうして、シャーリプトラ尊者は、ローサカティッサ尊者に、直接自分の鉢から食物を取るようにさせ、彼は、一生の内たった一回、初めてお腹一杯食べたのでした。食事をした後ほどなくして、ローサカティッサ尊者は般涅槃したのでした。

水瓶に一杯水があるのを見て、大長老はすぐさまローサカティッサ尊者の話を思い出し、彼は手で水瓶を掴んだまま、ミラカに水を飲ませました。この様子を見て、ミラカは恐れ慄き、すぐに大長老の下で出家してサーマネラになりました。修行している時、彼は以前彼が殺した動物と、自分が使っていた武器のイメージが見える為、修行に専念する事ができませんでした。

彼が戒師に還俗したいと申し出た時、大長老は、多くの水分を含んでいる巴楽(グァヴァ)の木を拾ってこさせ、それを大理石の上に載せて、焼くように言いました。しかし、サーマネラがいくら頑張ってもそれらの木に火が付きません。その時、大長老が神通を使って地獄から少しの火を貰ってきてサーマネラに見せ、その火を木の上に置いて、材木を燃やして灰にしました。彼はサーマネラに向かって言いました。:「もし、君が還俗するならば、この地獄の火は君の行くべき所だ。もし君があの地獄に生まれ変わりたくなければ、止観の修行に精進しなければならない」と。地獄の火を恐れたサーマネラは、二度と還俗したいと思わなくなりました。彼は麻で縄を綯い、それを自分の頭に括り付け、膝から下を甕の中の水につけ、修行に励みました。時には、彼は夜中にも経行をしました。彼はこのように止禅と観禅(vipassanā)に精進したので、阿那含道果を証悟しました。

このように、もしあなたが修行に精進するならば、あなたもまたジャーナと道果を証悟する事ができます。

#298-151008

問16-28 白衣居士は、阿那含果を証悟する事ができますか?阿羅漢を証悟したいのであれば、どのような条件の下で修行する必要がありますか?阿羅漢を証悟した居士は、出家衆に礼拝されてもよいですか?

答16-28 在家者でも阿羅漢果を証悟する事はできます。たとえば、仏陀の父親のスッドーダナ王は在家の身分で阿羅漢果を証悟しました。しかし、阿羅漢果を証悟した在家者は、阿羅漢道果を証悟した当日、出家しなければなりません。そうでなければ、彼は必ず、その日、般涅槃するでしょう。

#299-151008

問16-29 凡夫比丘はすでに阿羅漢果を証悟したサーマネラに礼拝する必要がありますか?

答16-29 いいえ。阿羅漢サーマネラは、凡夫比丘を礼拝しなければなりません。というのも、比丘は増上戒(adhisīla)を保っているからです。

(翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)

初めてご来訪の方へ:上記は、台湾より請来した「禅修問題与解答(パオ禅師等講述)」(中国語版)の翻訳です(仮題「パオ・セヤドー問答集」)。「智慧の光」「如実知見」の姉妹版として、アビダンマ及びパオ・メソッドに興味のある方のご参考になれば幸いです。(一日又は隔日、一篇又は複数篇公開。日本及び海外でリトリート中はブログの更新を休みます。Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu)。