2、精進
無常を念じる事、放逸たるなかれーー
命は無常であるから、時間をしっかりと掌握する必要がある。
印光大師を例にとると、彼の家は非常に簡素であった;
電灯1個、机1張、何冊かの仏典、簡素なベッドとカチカチの
煎餅布団、これ以外何もない。
一切の外縁を謝絶し、朝から晩まで、仏を念じる声は断たず、
毎日<大悲呪>を49回、<阿弥陀経>を何度も、読んでいた。
一日24時間、仏を忘れた事がない。このような人であれば、
上品上生である事、間違いない。
我々の修行は(外見は)易行だ。故に(極楽)往生は困難で
は、ない。しかし「往生したい」か「往生したくない」かは、
あなたの決意次第だ。
勇猛果敢に修行するのは簡単だが、持続するのは難しい。
というのも、我々は疲れ、飽きるからである。
今日は友達が来てお茶を飲み、おしゃべりをし、明日は
我々が友達の家に行き・・・こうして毎日往来して、
外での用事が増えていき、いつの間にか心が散乱する
のである。
怠けるのは簡単だが、精進しようとするとなかなか
できない。一たび心が放逸になると、なかなか元へは
戻らない。
我々衆生は、情緒に依って修行している事が多い。
気分がいいと必死に頑張り、気分が悪いと修行をやめて
しまう。衆生の修行は、このように一進一退する。
私は在席のみなさんに、もし可能であれば、長庚医院に
習って、職員の精神的支えとなるように、会社に頼んで、
小さな仏間を作ってもらうのが、いいと思う。
警察官に、なぜ自殺が多いのか?
人生について、生命についての理解が足りないからである。
もし、命に関する真理を知ったならば、彼らは決して
自殺などしないであろう。警察署でも、どんな小さな空間
でもよいから、仏間を作り、警察官に因果の考え方や、
自殺の真相などを教えるのがよいと思う。
宗教上の信仰は非常に重要であり、彼らに小さな仏間を
作ってあげて、仕事の合間に、そこで精進できるように
してあげるのが、よい。(つづく)
訳者注:台湾では、キリスト教の礼拝堂、仏教の仏間、
座禅室を設置する病院が増加している。上述の高雄長庚医院
もそうだし、台北やその他、大きな病院は、患者の心の問題
を解決する事に、熱心に取り組んでいる(チャプレンや
僧侶が常駐している所もある)。
台湾の僧侶で、看取りや介護の研究をしている人は多い。
僧侶は、葬式担当でなく、今を生きている人の役に立つ
よう奮起するべきである。
(台湾高雄文殊講堂慧律法師著
翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)