Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―25

2、精進

無常を念じる事、放逸たるなかれーー

命は無常であるから、時間をしっかりと掌握する必要がある。

印光大師を例にとると、彼の家は非常に簡素であった;

電灯1個、机1張、何冊かの仏典、簡素なベッドとカチカチの

煎餅布団、これ以外何もない。

一切の外縁を謝絶し、朝から晩まで、仏を念じる声は断たず、

毎日<大悲呪>を49回、<阿弥陀経>を何度も、読んでいた。

一日24時間、仏を忘れた事がない。このような人であれば、

上品上生である事、間違いない。

我々の修行は(外見は)易行だ。故に(極楽)往生は困難で

は、ない。しかし「往生したい」か「往生したくない」かは、

あなたの決意次第だ。

勇猛果敢に修行するのは簡単だが、持続するのは難しい。

というのも、我々は疲れ、飽きるからである。

今日は友達が来てお茶を飲み、おしゃべりをし、明日は

我々が友達の家に行き・・・こうして毎日往来して、

外での用事が増えていき、いつの間にか心が散乱する

のである。

怠けるのは簡単だが、精進しようとするとなかなか

できない。一たび心が放逸になると、なかなか元へは

戻らない。

我々衆生は、情緒に依って修行している事が多い。

気分がいいと必死に頑張り、気分が悪いと修行をやめて

しまう。衆生の修行は、このように一進一退する。

私は在席のみなさんに、もし可能であれば、長庚医院に

習って、職員の精神的支えとなるように、会社に頼んで、

小さな仏間を作ってもらうのが、いいと思う。

警察官に、なぜ自殺が多いのか?

人生について、生命についての理解が足りないからである。

し、命に関する真理を知ったならば、彼らは決して

自殺などしないであろう。警察署でも、どんな小さな空間

でもよいから、仏間を作り、警察官に因果の考え方や、

自殺の真相などを教えるのがよいと思う。

宗教上の信仰は非常に重要であり、彼らに小さな仏間を

作ってあげて、仕事の合間に、そこで精進できるように

してあげるのが、よい。(つづく)

訳者注:台湾では、キリスト教の礼拝堂、仏教の仏間、

座禅室を設置する病院が増加している。上述の高雄長庚医院

もそうだし、台北やその他、大きな病院は、患者の心の問題

を解決する事に、熱心に取り組んでいる(チャプレンや

僧侶が常駐している所もある)。

台湾の僧侶で、看取りや介護の研究をしている人は多い。

僧侶は、葬式担当でなく、今を生きている人の役に立つ

よう奮起するべきである。 

           (台湾高雄文殊講堂慧律法師著

            翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)