Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー12

善なる因縁がいまだ改変されていない時、通常、人の習性としては、

道徳に執着して、善行によって安心を得ようとする事が多い。

一旦因縁が改変されたら、執着によって無常なる苦と無我を感じる

事が分かるようになり、道徳もまた決して究極的な依拠処ではない、

ということを了解し、縁起のような勝義諦を見つけて、苦痛の感覚

を抜き去る必要があると考える。

心は、徐々に、「私」「私のもの」、善悪、良し悪し、苦楽など

を超越して、二度と苦痛を感じないようになる。

縁起をば、生まれ生まれて、世々、流転する自我に当てはめて説明

するならば、縁起の法則に違反するだけでなく、仏陀の説法の法則

ーー人類をして、徹底的に、いかなる自我をも止滅させ、超越させ

る事にも違反する。

縁起は、道徳とは無関係である。というのも、道徳は、いかなる状

況の下でも、自我を根拠としており、常見の中に存しているから

である。(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)