Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー25

我々は、縁起の還・滅の中において、真実の仏・法・僧を、

<今・ここ>において体験・証明する事が出来る、という

事を発見する・・・ただし、それは、智慧ある者のみが、

自ら体現するものである事も。

そして、この事は、常見を持つ人が言う所の三宝より、

なお真実である。というのも、常見を持つ人の言う三宝とは、

心の伴わない空念仏にしか過ぎず、何の意義もない故に。

今生とは、縁起が流転・捻転する<今・ここ>の運行であり、

来生とは、縁起が流転する所の、次の一つの運行である。

もし縁起をこのように解釈するならば、常見を持つ人よりも

もっと現実的に、生活の中に応用する事ができる。

我々の見解では、「生」をば、母親の子宮から生まれ出る

こととし、「死」をば、お棺の中に入る肉体の死とするのは、

日常用語または幼児語の範囲を出る事が無く、仏陀の教え

導いた縁起の真意とは異なるものなのである。

このように、正しく縁起を理解することが、仏陀の教えた

縁起説に叶うものであり、後期になって論師たちが言い出

した縁起説は、仏陀の教えとは異なるものである。(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)