Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー39

次に、簡単に、<縁起の苦>の原理について、お話したい。

仏教を学んだ人は、分かっていると思うが、6根と、ある種

の価値、または意義を持つ6塵が接触した時、6塵は、無明

の拠り所となる。

たとえば、目が樹木、石ころなどを一瞥した時、苦を生じる事

はないが、それは我々にとって、樹木とか石ころとかは、

価値も意義も持たないからである。

しかし、もし虎、女性、またはある種の価値を持つ事物を

見たならば、前者とは異なる事象が発生する。

もし、一匹の雄犬が、一人の美女を見たとして、美女は

犬にとってなんら意義がないが、これが一人の年若い青年が

美女を見たのであれば、その美女は、青年にとって、

非常に意味のあるものになってしまう。

この例で言うと、雄犬の「見る」行為と縁起は関係が無く、

青年の「見る」は、縁起と関係があるという事である。

(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)