Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー44

縁起に関する五種類の説明~~

[正順縁起]

ある時には、仏陀は、我々がよく経文をとなえる時と同じような、

正順で縁起を説明する。それは、無明から始まって、生老病死

までの、11種類のすべての状況を含む、縁起である。

すなわち、無明あるによって行あり、行あるによって識あり、

識あるによって名色あり、名色あるによって六入あり、六入ある

によって触あり、触あるによって受あり、受あるによって愛あり、

愛あるによって取あり、取あるによって有あり、有あるによって

生あり、生あるによって老病死、憂悲悩苦あり、

ここに、純なる大苦の聚が集する、と。

これを縁起の一回性流転という。この、最初から始まり、最後まで

語られる縁起は、我々には最も馴染み深いものであり、数百部の

経典の中に見る事ができる。

[逆説縁起]

時には、最後から始めて、最初に言及する。本来は、無明がある故に、

生、老、死があるのを、ここでは、苦から説明を開始する。

すなわち、苦とは生があるからであり、生は有があるからであり、

有は取があるからであり、取は愛があるからであり、愛は受が

あるからであり、受は触があるからであり、触は六入があるから

であり、六入は名色があるからであり、名色は識があるから

であり、識は行があるからであり、行は無明が原因である、と。

これも縁起の一回性流転を言っており、しかし、それは最後から

さかのぼって最初にまで言及しているものである。これを逆観と

言う。

最初から説明するものを順観といい、この二種類の説明の仕方は、

比較的、覚えるのも、となえるのも、簡単である。

(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)