縁起に関する五種類の説明~~
[正順縁起]
ある時には、仏陀は、我々がよく経文をとなえる時と同じような、
正順で縁起を説明する。それは、無明から始まって、生老病死
までの、11種類のすべての状況を含む、縁起である。
すなわち、無明あるによって行あり、行あるによって識あり、
識あるによって名色あり、名色あるによって六入あり、六入ある
によって触あり、触あるによって受あり、受あるによって愛あり、
愛あるによって取あり、取あるによって有あり、有あるによって
生あり、生あるによって老病死、憂悲悩苦あり、
ここに、純なる大苦の聚が集する、と。
これを縁起の一回性流転という。この、最初から始まり、最後まで
語られる縁起は、我々には最も馴染み深いものであり、数百部の
経典の中に見る事ができる。
[逆説縁起]
時には、最後から始めて、最初に言及する。本来は、無明がある故に、
生、老、死があるのを、ここでは、苦から説明を開始する。
すなわち、苦とは生があるからであり、生は有があるからであり、
有は取があるからであり、取は愛があるからであり、愛は受が
あるからであり、受は触があるからであり、触は六入があるから
であり、六入は名色があるからであり、名色は識があるから
であり、識は行があるからであり、行は無明が原因である、と。
これも縁起の一回性流転を言っており、しかし、それは最後から
さかのぼって最初にまで言及しているものである。これを逆観と
言う。
最初から説明するものを順観といい、この二種類の説明の仕方は、
比較的、覚えるのも、となえるのも、簡単である。
(つづく)
(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語
原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)