Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-23

解説~

註疏では、「内空」を自分自身の五蘊の空、「外空」を他人の

五蘊の空と解説している。ここで言う空とは、内外の五蘊

観照してそれを無我と知り、このようにして修習された観禅

によって、暫定的に到達された心解脱の事を言う。

無我を観照する観智が道智の段階に到達した時、それは、

涅槃空の一面を体験する果智を生起させる。

内外の五蘊

蘊には五蘊と五取蘊(upādānakkhandaā)があり、五取蘊は、

観智の目標である。観禅を修習したいと思う比丘は、先にこの

五取蘊を識別しなければならない。

何故か?

私は、簡単に説明してみたい。

《相応部・蘊品・蘊経》の中で、仏陀は言っている:

「一切色、無論過去、未来或現在、内或外、粗或細、近或遠、

劣或勝、都称為色取蘊。它是煩悩的目標、及受到渇愛

邪見執取『這是我的;這是我』等々。

這11種色是色取蘊。同様地、11種受(vedanā)、11種想(saññā)、

11種行(saṅkhāra)、11種識(viññāṇa)分別称為

受取蘊(vedanā-upādānakkhandhā)、

想取蘊(saññā-upādānakkhandhā)、

行取蘊(saṅkhāra-upādānakkhandhā)、

識取蘊(viññāṇa-upādānakkhandhā)。

有意修習禅観的比丘必須先弁識這内外五蘊

なぜ以上のように言うのか?暫く、註疏の解釈に

耳を傾けてみよう。

(つづく)

訳者コメント:仏教書を読んでいると、よく「煩悩」という

言葉が出てきます。日本では、煩悩は108、いや、それ以上、

無限にあって、ちょっとやそっと修行したくらいでは無く

ならない、と言う。テーラワーダ南伝仏教)では、同じく

煩悩は108個あると言うが、それには根拠があり、内に生

じる煩悩、外が原因で生じる煩悩、過去のもの、

現在のもの、未来のもの、などと具体的に数えていき、

それには108(=6*2*3*3)いう限度がある故、いつかは

なくすことができる、いつかは煩悩から解脱する事ができる、

と言う。

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)