Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-74

それらの順序とは?

ここで「順序」と言っているのは、教え導く順序の事である。

この順序は、波羅蜜を実践し始める順序の事でもあり、また、

それらの順序を省察する事とも関連している。

通常は、先に省察した後、実践の素質(=内実)によって、

何を教える(+かを決定する)。

一般的には、一つの波羅蜜が、次の波羅蜜の基礎となる場合、

それは更なる大きな果報と利益をもたらす。それは例えば、

戒行を備えた布施は、非常に大きな福報がある、等々、である。

以下に述べるのは、もう一つの別の、波羅蜜の順序を理解する

方法の、簡略な説明である。

最初に挙げられるのは布施である:

一、それは一切の有情が共有する(素質)であるから。

というのも、最も普通の人も布施は出来るから。

二、その福報は最も小さいから。

三、(他の波羅蜜と比べて)それは最も実践し易いから。

その後には、持戒が挙げられる:

一、持戒は、布施する者とされる者の双方を浄化するから。

二、布施は、他人を利益する事を示すことができ、持戒は

他人を傷つける事を防止する事ができる。

三、富と財を得る因(布施)を示した後、未来において、

善趣に生まれる事の出来る因(持戒)を獲得した事を

示す事ができる。

業報の法則に基づけば、布施は富と財を齎すことができ、

持戒は善趣、すなわち、天界または人間界に生まれるべく、

導き到るようにする事ができる。

持戒が清浄な者の布施は、その願望を円満成就する事ができる。

(= )(+ )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)