それらの順序とは?
ここで「順序」と言っているのは、教え導く順序の事である。
この順序は、波羅蜜を実践し始める順序の事でもあり、また、
それらの順序を省察する事とも関連している。
通常は、先に省察した後、実践の素質(=内実)によって、
何を教える(+かを決定する)。
一般的には、一つの波羅蜜が、次の波羅蜜の基礎となる場合、
それは更なる大きな果報と利益をもたらす。それは例えば、
戒行を備えた布施は、非常に大きな福報がある、等々、である。
以下に述べるのは、もう一つの別の、波羅蜜の順序を理解する
方法の、簡略な説明である。
最初に挙げられるのは布施である:
一、それは一切の有情が共有する(素質)であるから。
というのも、最も普通の人も布施は出来るから。
二、その福報は最も小さいから。
三、(他の波羅蜜と比べて)それは最も実践し易いから。
その後には、持戒が挙げられる:
一、持戒は、布施する者とされる者の双方を浄化するから。
二、布施は、他人を利益する事を示すことができ、持戒は
他人を傷つける事を防止する事ができる。
三、富と財を得る因(布施)を示した後、未来において、
善趣に生まれる事の出来る因(持戒)を獲得した事を
示す事ができる。
業報の法則に基づけば、布施は富と財を齎すことができ、
持戒は善趣、すなわち、天界または人間界に生まれるべく、
導き到るようにする事ができる。
持戒が清浄な者の布施は、その願望を円満成就する事ができる。
(= )(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)