Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-79

(一)人身(manussatta):人身を持つ者が発する至上願だけが、

効力を発する。龍、金翅鳥等が発した至上願は無効である。

なぜか?

その他の身体では、人身によって仏果を証得する仏陀と、

相応しないから。

聴衆のみなさん、もしあなた方に十分に強力な願または善欲があって、

仏になりたいと思うのであるならば、あなた方は未来において、

仏になれるかもしれません。

しかし、下記の格言を覚えておいて欲しい「馬を欲しいと思いさえ

すれば、乞食でも馬に乗ることができる。」

この言葉の意味は、人が願を発するだけで欲しい物が手に入るので

あるならば、貧乏人もまた、今すぐに大富豪になる事ができる、

という事である。

(+しかし、実は)願を発しただけでは、仏果を証得することは

できない。あなた方は、必ずや、一切の財産と富、身体と生命を

捨てる事によって、10の波羅蜜を円満成就しなければならない。

もしこのようにするならば、あなた方は未来において、仏になる事

ができる。

(二)男性(liṅgasampatti):すでに人身を得た者であっても、

男性の発する至上願だけが効力があり、女性、黄門、無性者及び

陰陽者の発する至上願は無効である。

なぜか?

仏陀は必ずや男性であるから。

仏陀はこう述べている「比丘たちよ、これは不可能である。

決して発生することはない。すなわち、女性が正等正覚の仏陀

なるという事・・・・・・」(Majjhima-3-100 Aṅguttara-1-30、

Abhidhmma-2-349)(+ )(= )訳者。(つづく)

訳者コメント:文中、金翅鳥はガルーダ?それともキンナラ鳥?

(中日辞書になし)。黄門はオカマ?オネエ?(中日辞書では

「宦官」と表記)陰陽者は両性具有者ですが、では、無性者と

何でしょうか?

大乗仏教には龍女成仏説があり・・・龍(族)で女性で、しかも子供、

エヘン、仏陀なったヨ・・・(イヤ、その前に変成男子、男の子に

なってから仏陀になった、らしいけど)。う~~ん、仏教は、インド

強烈で強固な女性差別意識を拒否できなかったのか、それとも釈尊

本当「女性は成仏できない」と言ったのか?(仏陀はアーナンダ

の懇願に答えて「女性でも悟る事はできる」と言っているが、これは

阿羅漢にな事?それとも仏陀になる事?)

仏陀になるには永遠の努力が必要なように、仏陀男性説もまた永遠

謎のような気が、しないでもない(なぜなら、仏陀なるまで、

自分では検証のしようがないから)。

中国人、台湾人、華人社会、中国語圏の仏教は基本、大乗ですから、

仏陀になりたい」という人は多い。日常的に、仏教徒同士、お互い

「菩薩」と呼びかわしているくらい。

そんな状況の中国語圏の仏教徒に説法する時、パオ・セヤドーは

仏陀なるのは、そんな簡単な事ではない」説を強調せざるを

得ない・・・いう光景が、目に浮かびます(笑)。

仏陀になるための波羅蜜は、テーラワーダは10を言い、大乗では

6を言う。この違いはどこから来ているのでしょうか?

まだまだ学ぶべき事は多い。

追記:大乗の「龍の女の子の成仏説」は、インドの少数民族

ナーガ族が仏教に帰依した事の象徴的物語である、という説あり。

文化人類学的にはそうかもしれませんね。こんな所にも、信仰と

歴史的事実とのせめぎ合いが・・・。

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)