Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-86

上で述べた(+No85 参照)第一番目の条件は、四無礙解智を証悟した

その世で、成就しなければならない。

その他の四つの条件は、過去世において、すでに成就しておかねば

ならない。

そういうことから、未だ菩薩になる前、彼は(+No85にある)残りの

四つの条件を、成就しておかねばならないのである。

授記を得た後、菩薩は導師の指導のない状況の下で、自ら何の波羅蜜

を修習すればよいのかを、省察しなければならない。

それはちょうど、スメダ隠士がそうであったように。

菩薩はなぜ、師のない状況の下で、自ら諸々の波羅蜜を省察することが

できるのか?

それは、彼が、多くの過去世において、すでに仏陀の教法を学び、

また宿命通も証悟してあるからである。

因縁が熟した時、言い換えれば、彼が生きている仏に出会い、

また至上願を発した後、「波羅蜜思択智」が彼の心の中で発動し、

10波羅蜜を省察するように促すのである。

その後、彼は、少なくとも四阿僧祇劫と十万大劫の時間、10波羅蜜を

実践しなければならない。

ただこのように修行して後に、彼は仏になることができる。

この事から、我々は、仏になるのが難しい事が分かるだけでなく、

菩薩になるのも、簡単でないことが分かる。

なぜか?

それは、至上願の8個の条件、すなわち、人間、男性、生きている

仏陀見える事等、を具備しなければならない故で、仏陀の授記を

得るのも、決して容易ではないのである。

ここにおいて、あなた方の至上願への理解を深めるために、私は

あなた方に、至上願の四つの縁、四つの因と四つの力について

解説する。(+ )訳者。(つづく)

訳者コメント:私はテーラワーダ南伝仏教)が好きで、緬甸の

パオ森林寺院で出家しましたが、三蔵を研究し尽くして、100%

納得した上、という事でもありませんので、未だ分からない事が

たくさんあります(私にとっては、雪山童子と同じ、無常・苦・

無我・涅槃寂静とは何ぞや?というのが一番の疑問です)

仏陀になるためには、四阿僧祇劫と十万大劫修行しなければならない、

というのも、私の中では、まだよく分からないですが・・・。

中国人、台湾人、シンガポール等の中国語圏では、仏教徒はお互いに

「菩薩」と呼び合っています。

パオ・セヤドーの著書を読んでいると、いや、君、菩薩なんて

まだまだ・・・苦笑。

取り敢えず、今日、自分のできる事をサティをもってしっかりやる。

凡夫の私としては、まずは、こんな所でしょうか?

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)