一、四縁(比較的遠くにある要素):
(一)菩薩道を修すると発願した偉人は、仏陀が神通を顕現するのを
実際に見た後、思う:「正等正覚は非凡な力を具備している。仏陀は
それを証悟した後、このように超凡、美妙で、不可思議な力を持つよう
になった。」
自らの目で仏陀の力量を見た後、彼の心は即刻、正等正覚の証悟に傾く。
(二)自ら、世尊の非凡な力量を見ることはないが、しかし、彼は他人
が「世尊はこのような、また、あのような威神力を擁している。」と
言うのを聞き、聞いた後に彼の心もまた即刻、正等正覚の証悟に傾く。
(三)自ら、世尊の威神力を見たり、聞いたりした事はないが、彼は
仏陀の威神力についての経典を学んだことがある。
学んだ後、彼の心は即刻、正等正覚の証悟に傾く。
(四)自ら、世尊の威神力を見たり聞いたりした事はないし、
仏陀の威神力についての経典を学んだこともないが、しかし、彼自身、
非常なる聖潔の傾向を擁していて、ゆえに彼は思う「私は、仏陀の伝承、
血統、伝統と正法を護持しよう。」と。
この種の、法に対する至高の尊敬(Dhammagaru)によって、
彼の心もまた、正等正覚の証悟に傾く。
(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)