Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-88

二、四因(近い、直接的な因):

(一)偉人は、過去仏のために、増上行(adikāra)を実践する事を

通して、特別なる善業を具備しており、それを親依止(upanissaya)

となした。

(二)彼は当然の如くに憐憫の性格を有し、衆生の苦しみを軽減する

ために、自己の生命を犠牲にすることを、惜しまない。

(三)彼は、持続性のある精進力を有し、仏果を証悟するために、

長期的に奮闘することができる。輪廻の苦しみや、衆生の利益と幸福の

為に奉仕する苦難によって、心が委縮することはない。

(四)彼は、他人に悪から離れ、善をなすことを勧める善知識と

交流するのを好む。

以上の四つの因の内、親依止を擁するという意味は、彼がかつて過去仏の

面前で、心の中に於いて黙念し、また自らの口において、菩薩道を修したい

と発願したため、彼の心は長期的に、正等正覚を証悟し、衆生の利益と

幸福のために奉仕したいという(+心の)傾向がある、という事である。

彼がこの種の親依止を具備している事から、彼は、ある方面においては、

未来において辟支仏(paccekabuddha)または弟子になる人とは

明確な違いがある。

それはすなわち:

一、五根(indriya);

二、衆生の利益と幸福のための修行;

三、人を助けるよき方法と、善悪を判断する智慧

(thānāthāna-kosalla-ñāṇa)(+に優れていることである)。

上記の、善知識と交流するという点において、善知識とは、

8項の資質を有する人の事であって、それはすなわち;

信(確信)、戒、多聞、出離、精進、念、定と慧である。

(+ )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)