Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-105

《仏種姓経》の中の、布施という章では、はっきりと、布施する時

は、受者を上、中、下と分けてはいけない、と言っている。

この経文から、差別の心で受者を選択して布施することは不当であり、

してはいけない事であることが分かる。

しかし、《中部・後分五十経篇・施分別経》の中で、仏陀は、

7種類の、サンガ施と、14種類の、個人施を列挙している。

この経では、だれか一人の受者に布施する個人施は、その善業については、

受者によって差異が生じる・・・最も低いのは動物で、徐々に高くなって

いって、最後は仏陀である、と言っている。

サンガ施については、善業の最も強いのは、仏陀をトップとする

サンガである。

《餓鬼事・安古羅鬼経》では、二人の天神について語られている:

仏陀が33天帝釈天王の座席に座って《アビダンマ論》を開示している時、

二人の天神ーーインダカ(Indaka)とアンクラ(Ankura)が、

仏陀の説法を聞きに来た。

自分より上の天神が法を聞きに来た時、アンクラは、座位を譲らなければ

ならず、その為、彼は仏陀から10由旬離れた場所に移動した。

しかし、インダカは元の座席に座ったまま動かない。

その理由は:

人類の寿命が一万歳であった頃、アンクラは非常に裕福な人で、

その一生の間、多くの普通の人々に食事の布施をした。

その食べ物を煮炊きした場所は、12由旬もあった。

これらの善業によって、彼は天神に生まれ変わった。

しかし、インダカは、アヌルッダ尊者に、スプーン一杯の食事を

布施しただけで、天神に生まれ変わったのである。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)