Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-136

仏陀の時代、ある時、烏提那王は、沙馬瓦弟皇后に対して、

大変に憤っていた。

それで、皇后と彼女の500人の女官を一列に並ばせて、

彼自ら、毒の弓矢を持って、彼女らを射殺そうとした。

しかし、彼女たちは、静かに佇んで、国王に慈愛を散布した。

その時、国王は、弓矢で射る事ができないと感じたが、

しかしまた、その弓矢を手放す気力も、生じなかった。

彼は全身に震えを感じ、全身に汗をかき、よだれが口

から垂れ落ちた。

彼は突然、自分をコントロールできなくなったかの

ようだった。

その時、沙馬瓦弟皇后は訊ねた:

「大王、あなたは、疲れを感じてはいませんか?」

国王は答えた:

「親愛なる皇后、私は確かに非常に疲れた。

私の支えになってくれ」

皇后:

「いいですよ。大王。弓矢を地面に向けて下さい」

国王は言われた通りにした。

その後に、沙馬瓦弟は発願した:

「その矢が、発射されますように」

その時、矢は地面の下へと、発射された。

同じく、仏陀の時代、ある時、高級娼婦である西礼馬は、

仏陀の女性在家弟子である優多羅に、大いなる嫉妬を

感じていた。

そのため彼女は、火で熱く熱したバターを一杯入れた

杓子を持って、突然、優多羅の頭の上から掛けた。

しかし、当時、優多羅は、慈心ジャーナに入っていて、

全身が慈愛に包まれていたため、熱いバターの温度を

感じる事なく、その熱いバターは、まるで蓮の葉の上を

転げる水のように、彼女の身体から、転げ落ちて行った。

このように、仏陀や菩薩の慈愛に非常な威力が

あるだけではなく、弟子たちの慈愛もまた、

非常に威力を発する事のできるものなのである。

(= )(+ )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)