菩薩が、これらの粗野な子供たちに出会った時、
彼は思った:
「今、私は、捨波羅蜜を成就するための助けとなる、
とてもよいものに出会った。」
そのため、彼はその村に残った。
子供たちは、彼を見つけると、傍に来て彼を愚弄した。
彼は、虐めに我慢できない上に、子供たちを恐れている
振りをして、逃げ回った。
しかし、彼がどこへ逃げて行っても、子供たちは
どこまでも着いてきた。
菩薩が墓地に来た時、彼は思った:
「ここならば、子供たちが悪事を働くのを止める人
はいない。今、私に、高等な捨波羅蜜を成就する時がきた。」
そう思った彼は、墓地に入り込み、髑髏を枕にして眠った。
いたずらができると思った愚かな子供たちは、色々な方法を
用いて、菩薩を侮辱し、彼に唾などを吐きかけた後、
立ち去った。
このように、子供たちは毎日、菩薩をいじめに来た。
これら悪童子のいじめを見ていた何人かの智者は、
彼らに悪事をやめさせようとした。
彼らは思った:
「この方は、大神力を持つ梵行沙門に違いない。」
そして、彼らは最高の敬意でもって、菩薩を礼拝した。
これら愚昧な子供達と、これら智者に関して、菩薩は、
いつも同じ態度で接した。
彼は、彼を敬う後者を喜ばなかったし、彼を侮辱する
前者を嫌う事もなかった。
彼は、両者に対して、喜ばない、怒らないという中捨の
態度を守った。
彼はこのようにして、捨波羅蜜を修習した。
慈と同じく、捨もまた、40種類の止禅の内の一つであり、
10波羅蜜の一つでもある。
もし、あなたが真剣に、捨波羅蜜を修習したいのであれば、
あなたは、段階を追って、慈心観、悲心観と、喜心観を
修習して、第三禅にまで到達しなければならない。
第三禅から出てきた後、捨を修習し、無量の世界における
衆生を目標に取り、捨心第四禅を証悟するまで、
修行しなければならない。
あなた方は、行捨智を証悟するまで、観禅も修習
しなければならないが、(+私が説明した上記は)
あなた方が成就しなければならない、最も上等の
捨波羅蜜である。
今夜、私の話はここまでにします。
菩薩道を修したいと願う人は、一日も早く、
授記を受けた菩薩になれるよう、祈願します。
涅槃を証したいと願う人は、一日も早く、
最終目標に到達するよう、祈願します。
(= )(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)