Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

ブッダダーサ尊者著「無我」(翻訳文)-1

台湾香光書郷編訳グループによる前言

[仏陀の本懐に戻る]

中国の伝統的な分類では、北伝仏教大乗仏教に属し、南伝仏教小乗仏教に属しており、それは、仏陀の教えた法、原始的教義を比較的重視するものである。

もとより、大乗仏教が提唱する菩提心と菩薩行は、人間社会における仏教の、普遍的教化へ新しい気運を創始したが、しかし、素朴な南伝仏教は、一切の仏教の基礎であり、仏教の全体像を知りたいのであれば、南伝仏教は重要な、欠くことのできないリングの一つとなろう。

近年来、台湾の仏教は、非常に速く成長発展しており、各種の法会、活動及び慈善事業、教育などの公益事業において、各階層の人士をひきつけ、彼らの参与が増加しており、一瞬のうちに、仏を学ぶ風潮が澎湃として勃発した。

最近、物質的な発展をなした後の心霊の空白を補うために、ますます多くの人々が、仏教における修習の方法を探し求めるようになった。

ある人は、上師に密法を求め、ある人は静坐参禅し、各種の教法もまた澎湃として発展し、まさに多姿多彩な様相を呈している。

20世紀、90年代の今日において、我々は、自己の生命及び仏教の未来について思いを馳せるとき、南伝仏教の内部に保持された原始的教義、制度と修行道、自己の利益を忘れて他人に奉仕する菩提心と菩薩行、煩悩を止息するために行う自利的な修道、これらは仏教徒が永遠に努力を惜しまない課題でもある。

この方向から見ても、未来の仏教界は、漢、蔵(=チベット)、南伝仏教が一つに融合し、相互に啓発しあい、全世界の仏教徒仏陀の本懐に戻り、一致団結して人間社会における浄土を創建しなければならないものである。

このことから、南伝仏教を知ることは、決して忽せにできない重要事なのである。(つづく)(+)(=)訳者。。

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ブッダダーサ尊者著「無我」中国語版→日本語

翻訳文責Pañña-adhika Sayalay)

訳者コメント:現代の台湾における仏教の発展は、目を見張るものがあります。15年前、私が法光仏教研究所(尼僧集団による運営)の2階で、パーリ語夏期6週間集中講座(教師は台湾に帰化したドイツ人)を受講していた時、同学の者に15歳の少女がいたし、もっと驚いたのは、一階でなされいたチベット語集中講座に小学四年生の男子がいて、小学校が夏休みの6週間、講座に一日の欠席もなく、修了証書とともに、皆勤賞をもらったことです(チベット語の呪文もスラスラ~苦笑)。

現代の台湾では、チベット仏教から南伝仏教まで、自分の好みに応じて、なんでも学ぶことができます。まさに仏教ルネッサンス時代といえます(国姓郷に、パオの台湾分院もあります)。漢、蔵、南伝がお互いにお互いを尊重し合っているのも、台湾仏教界のよき風潮かと思います。