Sayalay's Dhamma book

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パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-156

如何にして精進波羅蜜を修習するのか?

一人の、敵を打ち負かしたいと思っている

将軍は、不断に奮闘する。

同じく、他人を頼らず、自力で煩悩敵を

克服したいと思い、かつ、衆生を指導して

同等の征服行動をとりたいと願う菩薩は、

時々刻々、もろもろの波羅蜜を円満成就

するよう、精進しなければならない。

故に、菩薩は、不断に、正念を備えながら

以下のように省察する:

「今日、私は、いかなる菩提資糧と智慧を

累積したか?今日、私は、他者の何を

支援できたか?」

毎日このように省察し、彼は、衆生

奉仕するために、尽力する。

衆生を助けるため、彼は、気前よく自分の

財物を布施するが、それは、生命と身体を

含むものである。

どのような言行であろうとも、彼の心は、

ただ正等正覚に傾向している。

どのような功徳であろうとも、彼がそれに

ささげる唯一の目標は、すなわち、

正等正覚である。

上等で、かつ希有な欲楽の目標であっても、

彼の心はそれに執着する事なく、

出離に傾向しており、下等と、普通レベルの

欲楽の目標においては、何をかいわんや、

である。

彼は一つの仕事をなす度に、方法善巧智を

育成、運用する。

彼は時々刻々、衆生の利益と幸福のために

努力する。

彼は忍耐力をもって、喜ばしい、または

喜ばしくない感官の目標を忍受する。

彼は真実(+語)を堅持し、生命が脅威に

さらされても、動揺することがない。

彼は、まったくの分別心なく、一切の衆生

慈悲を拡散する。それは、まるで、一人の

父親が、子供たちの苦痛を背負いたいと

願うのと似ており、故に、彼は衆生

降りかかった一切の苦痛を背負いたいと

願っている。

彼は衆生の善行に、喜びを感じる。

彼は常に、仏陀の偉大さと無辺なる力量を

省察する。

どのような言行をなしているときでも、

彼の心は正等正覚に傾向している。

このように、菩薩は、持続的に布施などの

諸々の善行に献身し、日ごとに、何にも

匹敵することのできない功徳を、蓄積する。

(+ )(= )訳者。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>