wong0110's diary

中国語で書かれた仏教書(主にテーラワーダ、南伝仏教系)を日本語に翻訳して公開。+日常の心模様の独り言<是誰庵のひとやすみ>。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-171★

問1-6:《大空経》の中に、以下のような開示

があります。比丘は、群衆から遠く離れて、

静寂な場所に一人でいた方が、比較的容易に

道業が成就する、と。

そうであるなら、大勢で共修(=瞑想会、

リトリート等の事)するのは、余り進歩しない

のでしょうか?また、比丘尼は、集団から

離れて一人で修行するのは適切でしょうか?

答1-6:三種類の独居がある。

すなわち:身独居(kāya-viveka)、心独居(citta-viveka)と寂静独居(upadhi-viveka)

である。

もしあなたが、世俗の生活を捨離し、一人で

隠居するならば、あなたは身独居を実践して

いると言える;

しかし、あなたの心が依然として、世俗の生活

と感官の感受を貪り、執着しているならば、

それは真正なる独居生活ではない。

というのも、あなたには心独居が具備されて

いないからで、あなたの身独居は、形式を糊塗

しているに過ぎない。

反対に、もし、あなたが、人と共に暮らしてい

ても、あなたの親友や群衆及び感官の享受を貪

らないならば、あなたは独居していることに

なり、それはちょうど、仏陀がご自分の状況を

述べた、あのように、ということになる。

しかしながら、あなたの心が堅固でないなら

ば、依然として、他人及び感官の対象の影響を

受けることになりやすい。それならば、あなた

は、心身ともに独居するのが、望ましい。

ここで、私は、あなた方が、更にはっきりと

理解できるように、一つの例を、言いましょう。

《吉祥経(Maṅgala Sutta)》の中で、

仏陀は、智者と交わり、愚者から遠く離れるうに教えた。しかしながら、「智者と交わる」とは、彼に近づき、朝夕に彼と共にいることだけを

言うのではなくて、それは、智者に学び、

智者から智慧を獲得しなければならない、

と教えているのである。

「愚者から遠く離れる」は、これは決して、

絶対に愚者と一緒にいてはいけない、という

意味ではなくて、もし、彼に注意を促すため、

彼が正しい道を歩めるようにするためで

あれば、愚者と共にいることは問題がなく、

このようにすることは、《吉祥経》の教えに

背くということではない。

明確な例としては:仏陀がウルヴェラ園に滞在

していた時、一群の、邪見を持つ拝火教の外道

とともにいて、彼らが邪教を放棄するのを

助けた。

同様に、あなたは、他人と共にいてもよいだけ

ではなく、同時に独居の状態を保持することが

できる。ゆえに、共修は、独居の原則に違反

しない。ただ、あなたが「口頭禅」の修行を

好むときにだけ、問題は発生するのである。

もう一つ考慮しておかねばならない事柄は:

あなたすでに、阿羅漢果の証悟へと向かう

修行の道筋をはっきりと理解しているか

どうか、という問題がある。

もし、あなたがすでにそれを理解しているので

あれば、あなたは独居して一人で修行しても

問題はない。しかし、もし、あなたが、いまだ

理解してないのであれば、あなたは、あなたが

証悟できるよう、指導してくれる導師に

頼らなければならない。

これが、仏陀が《大空経》の中で話した独居の

長所である。

ある時、アーナンダ尊者が仏陀に言った:

比丘の梵行の成功の可否の半分の要因は、

善知識によって決まる、と。

しかし、仏陀は、彼に言った:

比丘の梵行の成功の可否は、完全に善知識に

よって決定される、と。

ここで言う善知識とは、あなたを指導して、

阿羅漢果を証悟させることができる人の事を

言う。ゆえに、あなた自身が解脱に到達する

ことを望み、また、他人が解脱に到達するのを

助けたいと望むならば、善知識から学ぶことは

非常に重要なことなのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ

(つづく)

訳者コメント:ここでは、比丘尼が独居しても

いいかどうかの質問への回答が抜けているよう

です。仏陀が女性の出家に躊躇したのは、女性

が森の中で独居して修行する事の危険性を

考えた、という事もあるのでしょう。

仏陀は、女性は出家はできるが、森の中で

独居してはならない、と述べたそうです。

モーラミャインにあるパオ森林寺院も、山頂

付近が比丘の住まいで、女性出家者

(Sayalay)は、山のふもとに、棟割長屋の

ように建てたクティに、部屋を貰って住む

ことが多いようです(おしゃべり禁止の為、

原則、一人一部屋です)。

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>