問5-3:
限定虚空遍禅と空無辺処定は、どのように
異なりますか?
なぜ、前者は色界定なのですか?
限定虚空遍禅を修行すると、どういう利益がありますか?
答5-3:
限定虚空遍禅を修行するとき、修行者は、空間を直接知覚する;
空無辺処定を修行するときは、遍処の禅相を取り除いた後に残った空間を専注する。
限定虚空遍以外の、残りの9種類の遍はみな、空無辺処定の修行に利用することができる。
パーリ語では、限定虚空遍の所縁の対象を「虚空」(ākāsa)といい;空無辺処定の所縁の対象を「除遍空」(kasiṇugghāṭimākāsa)という。
問5-4:
今世に生きている人で、もし、色、無色界定を証することができないならば、来世に、色、無色界に生まれることができますか?
答5-4:
できない。
問5-5:
色界初禅天の衆生は、ずっと初禅の状態のままですか?(+彼らは)第二禅から無色界定までを修習することはできますか?
答5-5:
色界初禅天の衆生は、ずっと初禅の状態のまま、ということはない。彼らにも眼門、耳門、および意門心路過程の生起があり、また、これらの意門心路過程において、有分心も生起する。
彼らは止禅を修習することができ、第二禅ないし無色界定まで進むことができる。彼らは観禅も修行できるし、阿羅漢果を証悟することもできる。
無色界の衆生については、彼らは、自分のいる天と同等の深いジャーナか、またはもっと深いジャーナに入ることができる。しかし、もっと低いジャーナに入ることはできない。
たとえば、識無辺処天の衆生は修行して、上の(=高等の)三種類の無色界定に到達することができる。しかし、空無辺処定および四種類の色界定に入ることはできない。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>