シャーリプトラ尊者は思った:「私は今こそ、仏陀に会いに行くべきだ。そして、仏陀に、彼の過去世の中で行った菩薩道と波羅蜜の成就についての物語を語ってもらおう」と。
こうして、彼は常日ごろ彼に付き従っている500人の阿羅漢を召集し、彼らに宣言した「さあ、行こう。我々は世尊に会いに行こう。そして、過去の諸仏の物語を語っていただこう」
このように言ってから、彼らは、風雷のような迅速さで神足通によって一瞬にして仏陀の面前に来た。
そして仏陀に礼拝すると、先ほどの希望を申し上げた。
シャーリプトラ尊者の希望に従って、仏陀は《仏種姓経Buddhavaṁsa》を開示した。
この経は、燃灯仏(Dīpaṅkara Buddha)の時代から維山達拉王(Vessantara)の時代までの、長い時間をかけた菩薩行の物語である。
このように、菩薩乗の思想は、仏陀を源としている。
仏陀の語る物語から、我々は、彼がなぜこのような経を述べなければならなかったという理由が分かる。
仏陀は言う:「心して《仏種姓経》を聞きなさい。この経は、あなた方に歓喜と愉悦を齎し、憂いによる棘を取り除き、三種類の楽を齎します。よくこれを聞いたならば、この経に示す道に従って実践すること。そうすれば、驕慢を駆除し、憂いを捨棄し、輪廻から解脱し、一切の苦を滅することができる。」
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>