当時、菩薩はヒマラヤの麓に住む、一人の沙門であった。
彼は、五神通と八定を擁していた。
ある日、彼は天眼通で、インドを観察した所、アッサカ王が悲泣しているのが見えたので、即刻、彼を助けてあげようと決心した。
彼は神通を利用して天空に飛びあがり、その後、国王の公園に降り立ち、まるで金の像のように、公園の、石でできた円座の上に座っていた。
波達里の町の一人の年若い婆羅門が公園に来て、この菩薩を見つけた。
そして、菩薩に挨拶した後、彼は菩薩の傍らに座った。菩薩は親しげに彼に問うた:「あなた方の国王は、公正な国王ですか?」
青年は答えた:「ええ、尊者。国王は非常に公正です。しかし、彼の皇后が亡くなったばかりです。彼は彼女の遺体を棺桶に入れた後、ずっと悲しみのために、横になっていて、今日で七日目になります。
どうしてあなたは、国王の悲しみを取り除きに行こうとしないのですか?あなたのように、徳行を備えた方こそ、国王の悲しみを取りのぞくよう行動するべきです。」
菩薩は答える:「私は国王を知りません、お若い方。しかし、もし彼が私に聞きに来たならば、私は皇后がどこへ生まれ変わったかを教える事ができるし、その上、彼女に話をさせることもできます。」
青年は言う:「もしそうであるならば、尊者。どうかここでお待ち下さい。私は国王に言って、あなたに会うように勧めてきます。」
菩薩は同意し、若い婆羅門は、急いで国王に会いに行き、この一件を知らせた。
彼は国王に向かって言った:「あなたは、あの天眼通を持つ人に会うべきだ!」
国王は、再びウッバリに会えるのかと思って、非常に喜んだ。彼は馬車に乗ってその公園に行った。
菩薩に挨拶して後、彼は傍に座り、尋ねた:「ある人が、私に、あなたが私の皇后の生まれ変わった先の場所を知っていると言いましたが、それは本当でしょうか?」
「ええ、国王。私は知っています。」菩薩は答える。
国王は彼女がどこに生まれ変わっているかを、問うた。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-17につづく)
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>