第五節 煩悩の表れ
煩悩が生起する時、それは、三種類の門(通り道、パイプ)を通って出現する:
1、身体的な行動ーー身門;
2、口頭の言語ーーー語門;
3、心内の意念ーーー意門。
身門、語門と意門を通して造作されるものを、我々は、業と呼ぶ。それは、以下の三種類がある:
1、身体による行動の造作ーー身業;
2、口頭による言語の造作ーー口業(+または語業);
3、心内の意念による造作ーー意業。
煩悩はまた、表出される強弱の程度によって、三種類のレベルに分類することができる;
1、違犯性煩悩ーーすでに、身門、語門に表出してしまった煩悩。これは、最も粗悪な程度の煩悩である。たとえば、憤怒によって殺人をしたり、動物を殺すなどである;貪心によって他人の物を盗む、または手癖悪く他人の物を失敬する、または公事にかこつけて私腹を肥やす等である;貪愛によって、乱れた男女関係を結ぶ、楽しい遊びに溺れる、感情を弄ぶ・・・これらは、すでに煩悩が強烈に身体の行為を通して表出されているものであるが、違犯性の煩悩に属する。
事実を欺瞞するために嘘をつく、怒りで人をののしるなどは、語門に現れた煩悩であり、すなわち、煩悩は言語によって表現されたのだ、と言える。
違犯性の煩悩は、四分法によって、殺生、不与取(=与えないのに取る事)、欲邪行、虚妄語の四種類に分類される。
七分法によっては、殺生、不与取、欲邪行、虚妄語、粗悪語、離間語と綺語(=おべんちゃらを伴う無駄口)に分類できる。
これらは皆、違犯性煩悩である。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(3-18につづく)
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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>