智慧と四聖諦は、お互いに密接に、相関し合っている。
経典の中で、四聖諦を如実に知ることを智慧と称しており、また、智慧が知る対象が、四聖諦である、と言う。
智慧を通して名色法を知る事は、苦聖諦である。
名色法の因を知る事は、集聖諦である。
名色法を観照する事、及び名色法を無常・苦・無我として観照する智慧を、観智と言う。
言い換えれば、観智が観照している対象は、苦聖諦と集聖諦である。
禅の修行者の観智が成熟する時、世間を超越する(出世間の)智慧が生起するが、これがーー道智である。
道智は、徹底的に、相応する煩悩を断って、涅槃を証悟することができる。
涅槃とはすなわち、滅聖諦であり、道智の目標である。
涅槃を証悟する道智は、すなわち、道聖諦である。
また、道聖諦は、苦の滅尽に至る道筋であるということから言えば、戒定慧を育成する過程をもってして、それを道聖諦である、という事も出来る。
禅の修行者が、一切の煩悩を断じ尽くした後、”漏尽者” と呼ばれるがーー一切の煩悩を断じた者は、また”阿羅漢”ーー礼拝、尊重、供養に値する聖者ーーとも呼ばれる。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-13につづく)
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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>