Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)5-2

呼吸を覚知する過程において、もし、妄想が多いという事を発見し、かつ、心が平静にならないならば、息を数える方法によって(+心の乱れを)克服することを提案する。

息を数える方法は:息を吸う時、息が入る、と知り、息を吐くとき、息が出る、と知る。そして、入る息と出る息の端において、心中で”一”と黙念する;その後に、息を吸う時に、息が入ることを知り、息を吐くときに、息が出ることを知る。そして、入る息と出る息の末端において、”二”と黙念する・・・このように、息を、声を出さずに、黙念して、数えるのである。

数を数える時、5から10までの任意の数を選んでよい。

たとえば、1から8まで数えるとする。

その時は、毎回の呼吸の末端において、入る・出る、一;入る、出る、二;入る・出る、三;入る・出る、四;入る・出る、五;入る・出る、六;入る・出る、七;入る・出る、八という風に、数える。

もし、入る息の末端で数えたいと思うならば、それでもよい。

その場合、出る・入る、一;出る・入る、二;出る・入る、三・・・出る・入る、八、となる。

10まで数えても構わない。

どのような場合であっても、息を数えている間、心は呼吸の上に置いておくべきである。数字は道具の一種であって、一種の方便でもあり、心を数字においてはならない。

もし、このように息を数えても、心がいまだ妄想をするようであれば、以下のような決心をするべきである:「私は、一から八までの数字を数える間、心を決して漂わせはしない!」

息を数えることを利用して、時間の設定もできる。

もし、我々が1から8まで、息を数えるのに、二分かかるとすると、この二分間の間、心は外へ漂わせない。

一回の息の出入りが2分かかるとして、二回分では4分になり、三回分では、6分になる・・・このような方法を用いて、己の、息への専注の時間を増やしていくのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-3につづく)

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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>