このような方法で、呼吸に専注することを、15分、20分、乃至半時間、持続することができて、心も静かになり、妄想も少なくなったならば、息を数えるのはやめて、ただ心を、鼻の先、人中と呼ばれる、そのあたり一帯に安住させて、息を覚知しつづければ、それでよい。
呼吸を知覚することは、実は非常に簡単で、単純なことなのである。
なぜか?
というのも、我々は、時々刻々と呼吸しており、呼吸していない時はないのであるが、我々は、長い間、その存在を忘れてしまっているのである。
呼吸を覚知するためには、特別な計らいは必要ではなく、ただ、知りたいと思い、いつでも存在する呼吸に、関心を寄せれば、それでよい。
以上が、呼吸を専注することによって心を平静にする方法であり、入出息念と言う。
常日頃から、呼吸に関心を寄せる修行をするならば、あなたは発見する;あなたの情緒・感情は、容易にコントロールできるようになり、あなたの心は容易に静かになることを。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-5につづく)
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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>