Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵のひとやすみ~少欲知足

 

大昔の中国、尭に「帝位を譲ろう」と言われた許由は

「ああ、いやなことを聞いた」「頴水で耳を洗おう」

と言った、のだそうです。

 

昔、一個の樽を我が家となし、住していたギリシャの哲人は言いました:

「王よ、あなたが私を訪ねてきて、何か一つ望みを言えと言うので、いわせてもらうが、王よ、そこをどいてくだされ。」

「あなたがそこに立っているので、樽に陰ができて、日照が悪い。」

 

2500年前のインドで、シッダッタ太子は「王国なんかもらっても、意味なし」と達観して出家、苦行6年の後、菩提樹の木の下で悟りを得、2500年後の現代において、心の安寧を得たいと願う善男善女たちの内に、その名を轟かす事となりました。

 

人間、立って半畳、寝て一畳。

野に出れば、名もない草花が、人は一人でいても、決して孤独ではないと、そっと語りかけてくれる。

権力から遠く離れ、少欲知足を達観した者の人生は、楽しい。