Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

☆「掌中の葉」(翻訳文)1-33

定の種類とレベル

問題四:定には、いくつ種類があるか?

回答四:定には、三つの種類がある。

すなわち、予備定(遍作定)、近行定と安止定である。

 

定を修習する時、煩悩の段階的な浄化に伴い、また定力の徐々なる発展に従って、修行者は、三種類の定のレベルを、体験することになる。

言い換えれば、それは、三種類の、強度の異なる定である。

一、予備定(または遍作定)

これは、定の修習に努力を払い始めた時に得る、定力である。

この種の定は、我々の日常生活の中で、何か一つの目標に専注した時、(+人々が)ごく自然に用いている定である。

予備定の強度は人によって異なる。

というのも、一人一人の(+元からある)自然な専注力は、それぞれに、異なるからである。

ある種の人々は、簡単に、また強力に、自分のしている仕事に、専注することができる。

ある種の人々にとっては、何か単一の事柄に心を保持することが非常に難しく、たとえ非常に短い時間であっても、専注できない。

科学的な研究によると、平均的な学生は、毎分の内、6~10秒は、気が散っているそうである。

言い換えれば、6~10秒の間、学生は己の予備定を喪失しているのであり、故に、教師が何を教えているのか、その内容を理解する事が、できないのである。

自分自身の予備定の強度がどうあろうとも、定の修習に関する要領を把握して、継続的に修行において努力する必要がある。

予備定を絶え間なく安定させ、また、予備定を強化させたなら、それは近行定に発展する。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(1-34につづく)

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<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>