ソーナ・コーリヴィーサ長老(Soṇa-Koḷivīsa Thera)は、またの名を、スクマーラ・ソーナ(Sukhumāla-Soṇa)と言い、チャンパー(Campā)の生まれで、父親は牡牛長者(Usabhaseṭṭi)である。
王舎城において、ソーナは、仏陀の説法を聞いて、信心(=確信)で(+胸が)一杯になり、父母の同意の下、出家して、比丘になった。
仏陀は、彼に禅修行の業処を一つ教え、彼は清涼林(Sītavana)に行き、以下のように思った:「私の身体は弱い。しかし、快楽を通して楽しみを得ることはできない。たとえ身体が疲労困憊しようとも、私は、沙門として、禅の修行をしなければならない」
このように思惟して、彼は、ただ、立つことと、歩くことという二つの姿勢・動作だけを採用し、睡眠もとらず、座ることもしなかった。
彼は修行に精進し、行ったり来たりして(+歩く)瞑想をし、その結果、両足を痛めて、激痛が走るようになった。
彼の両足からは血が流れ、経行する道は、牛を殺す屠殺場のように、血だらけになった。
しかし、強すぎる精進のために、彼は修行に成功することがなく、そのために、絶望した。
仏陀は彼に注意を与えた:君は以前、楽器を奏でる時があったが、その時、弦をきつく巻きすぎたり、または弦が緩すぎたりすれば、楽器の音は美しく響かないし、弾くにも苦労する(+ことがあったに違いない)。
同様に、精進根が強すぎる時、動揺(=落ち着かない様)が生じ、弱すぎる時は、怠惰が生じる。仏陀は、どのようにして、定根によって、精進根をバランスするかを、彼に教えた。
過ちを糺した後、ソーナ長老は、再び禅の修行に励み、最後には、阿羅漢果を証悟した。
以上は、ソーナ長老の物語である。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-47につづく)
Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>