昨16日の<是誰庵のひとやすみ>に、「口中有斧」という題で、雑感を書きました。
そこで、ゴータマ仏陀は「『私は侮られた』と怒る者は愚か者である」と言っている、とご紹介しました。
そして、人を侮る人間は、心が病んでいるのだから、相手にする事はないのだ、という私の意見も、書きました。
しかし、実は、仏陀はもっとすごいことを言っているのですね。
私たちは、刹那生・滅している存在だから(物質、身体は素粒子で出来ているのですから)、あなたを侮ったその人は、侮ったその後の瞬時に、もう存在しない。
彼に侮られたと思っているあなたは、侮りの言葉を聞いた後、瞬時にいなくなっていて、「侮られた私」というのは、もうすでに存在しない、というのです。
ある日のこと、仏陀の教えが気に入らない婆羅門が、仏陀に喧嘩を売りに来て感化され、前日の非礼を詫びに、仏陀の住まう精舎を再訪したとき、仏陀は「昨日の私はもういないのだから、謝らなくてもよい」と言ったそうです。
いや~~、これくらいになれたら、心はいつも涼しいでしょうね。