Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-10

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

達頌は嬉しくなって、即刻、作業を始めた。

アチャン・サオがここで雨季を過ごす為には、いくつかの建物が必要であった:

一人の出家者に、一軒づつの茅葺小屋、食堂と経典を読誦する大殿。それ以外に、歩く瞑想の修行に使う小道、及び厠も必要であった。

村民は、樹木を切り倒して柱とし、竹を切り出して床や壁とし、長い萱草は、まとめて束にして、屋根とした。

彼らはまた、地面を平らにして掃き清め、歩く瞑想に使う小道とし、糞壺を掘って、周りを萱草で囲った。

達頌と友人たちが、すべての作業を終えたとき、一つの小さな、きれいに整った森林道場が、荒野の中に、姿を現した。

仏教を受け入れる前のその昔、普泰族はすでに、先祖崇拝と神霊を拝む信仰を持っていた。

彼らは、動物を犠牲にして、森林を守る神と先祖の亡霊を祭った。

普泰人の先祖崇拝の信仰は根深く、先人を祭る神龕は、生活の中での最も重要な部分となり、大昔に死んだ歴代の祖先に、日ごと祭祀し、慰撫するのであった。

彼らは、先祖を祭ることによって、子孫、家屋、村の災禍、子孫の犯した間違いなどから、守って貰えると考えた。

もし、何事も順調であるならば、それは神霊が、その家の心がけに満足したということであり;もし順調でないのであれば、自分たちが、まつりごとを怠けて、神霊を怒らせたのだと考えた。

故に、何をするにしても、まずは吉日を選び、お供えをして、当地の神霊の機嫌をとらねばならなかった。

これらの神には、天神、水神、稲の神が含まれ、彼らの生活自体が、水と稲とに、密接な関係があった為に、普泰族には、以下のような古い言い伝えがあった:

「食事のときは、稲の神を忘れず、魚をくれる水神も、忘れてはならない。」

(3-11につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>