<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
1-2 智階
仏陀は、三つの段階を経て、四聖諦を体験・証悟した。
彼を教え導く人がいなかった為、彼は、己自身に頼って、この三つの智階を、体得した。
1.諦智
第一番目の智階であって、諦智と言う。
彼は以下の事柄を体得した:
1)苦諦には11種類の形式がある:
(五蘊の)生、
(五蘊の)老、
(五蘊の)死、悲しみ、憂い、
(肉体的な)痛み、
苦悩(心霊的、精神的な苦)、
失望、
愛別離(=愛する者との別離)、
怨憎会(=憎む者との遭遇)、
求不得(=求めたものが得られない)。
いわゆる苦とは、すべて、五蘊への執着が原因である。
2)苦の因(集諦):
欲貪、色貪、無色貪(1.4.5節「四聖諦」参照の事)。
3)苦の滅(滅諦):
涅槃は苦の因(集諦)と果(苦諦)を止息(=止む事)せしめる法であり、因が滅すと、果もまた滅する。
4)苦の滅の道(道諦):
八聖道は中道であり、唯一、苦を滅する事のできる修法である。
2.作智
これは、第一番目の智階を基礎とする実修である。
苦は必ずや、修行によって認知・認識されなければならない。
集(苦の因)は必ずや、修行によって断じ除かなければならない。
滅(涅槃)は必ずや、修行によって証得しなければならない。
道(八聖道)は必ずや、修行によって発展、推進されなければならない。
3、証智
証智とは、成果の事、または修行した内容と四聖諦との関係を認知・認識する所の智見である。
この三智(諦智、作智、証智)は、「三つの層が相関する所の智見と内観」と見做されるーー四聖諦と関連する、三種類の、直観的智見である。
(1-21につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>