<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
1-3-5 五力(図1-1)
(五力の作用は、五根と同じであるが、その力は五根より強い)
1)信力:
修行に対しての信心(=確信)が、一層強化され、修法を正しいものとする、確信が生まれる。
2)進力<ママ>(訳者注1)(努力):
心の精進力は更に強まり、かつ、煩悩を克服できるようになる(たとえば、「心が見ている」と観照する時、「私」が見ているのではない、ということが知れる・・・など等。
進力<ママ>は、妄想心と五蓋の生起を、防止する事ができる。)
3)念力:
心を<今・ここ>に、保持する事ができる。
4)定力:
心は、(+座禅・瞑想において)座っている所の色身を、明確に観照する事ができる。
5)慧力:
智慧が非常に強くなり、「私が座っている」という邪見を、変える事ができる。
というのも、智慧の力は、煩悩よりなお強く、故に、智慧は、煩悩を断じ除く事ができるからである。
通常、一般の人々が、修行を始めたばかりの時、愚痴(無明=愚かと無知)と貪愛は、非常に強い。しかし、五力の段階に来ると、無明と貪愛は、すでに克服・降伏されている。
第一智階(名色分別智)(+が成就されたそ)の後、定と慧は、等しく持もたれる。
それ以前では、定の方が、比較的強い。
(訳者注1)原文の<進力>は<精進力>と同じ意味だと思われる。しかし、同じ行に
<進力>と<精進力>が並列して出て来るので、<進力>は<ママ>とした。
(1-32につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。
<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>