Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「身念処」1-35

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

1-4 四聖諦

前述の一節(1-3節)の中において、我々は、37道品を修行する事の目標は、四聖諦(図1-1)を体験・証悟する事であるを知った。

1)苦諦(苦の真理。五蘊または心身は苦である事)

2)集諦(苦の起因=貪愛または渇愛

3)滅諦(苦の止息=涅槃)

4)道諦(八聖道)

1-4-1 四聖諦の特徴

1)苦諦:不安定な事、同等の状態を保持できない事をその特徴とする。

心身の二者は、共の不安である。身体の不安は苦々から来ており、心の不安は、これまで一度も、快楽(=楽しい)な所縁を、見つけることができない事から、来ている。

我々が快楽と感じるものは、実際には、暫定的な苦の静まった状態に過ぎない。

苦を滅した聖者は、色々な各種の事物を必死に追及して、己の快楽を満足させるような事はしない。

というのも、彼らの心は、すでに平静であり、満足しているが故に。

2)集諦:この種の不安と楽を探し求める因は、集(三種類の貪愛)である。心身は、止まることなく移り変わっている:見る、聞く、触る、嗅ぐ、探求する、決定するなどなど・・・。

3)滅諦:不安の性質を解除する。心はすでに貪愛を遠離しており、涅槃の寂静を擁しているが故に。

4)道諦:四聖諦を体験・証悟する事。また、涅槃に到達するために備えるべき美徳を特徴とする。

(1-36につづく)

   <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<原題「身念処」Vipassana Bhavana 第二版 アチャン・ネン著

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>