本日7日、台湾から那覇経由にて、般若精舎に帰ってきました。
早速、オハナ(ペキニーズ犬)の預け先に電話を入れて、明日迎えに行く打ち合わせなどして、なんとか、現実世界に適応しつつあります(笑)。
正味一週間のリトリートでしたが、最高でした。
指導頂く先生は、プンニャ・ナンダ尊者(中国名:本雅難陀尊者)。
緬甸(ミャンマー)西部海辺の村、GWAで、ご自身が設立された功徳禅林瞑想センターの住職をされていて、現在47歳。
1999年パオにて出家。2年後、パオ・セヤドーより瞑想指導を担当する指導者に任命される。当時より、中国語、英語、韓国語が堪能。
2002年にパオを出て、GWAにおいて、ご自分の僧院を建立。
私が尊者の存在を知ったのは、尊者がパオを出て、GWAに移った後でした(当時パオ本山には500人以上の修行者がいましたし、彼は外国人担当ではなかったので)。
「パオ出身の緬甸人比丘で、中国語を話す瞑想指導者がいる」と聞いて遥々GWAを尋ね、出会ったのが、プンニャ・ナンダ尊者。
その時受けた瞑想指導は非常に印象深く、尊者の事は忘れた事はありませんでしたが、それ以来、実に17年ぶりの再会です(二年前に、台湾で一瞬、すれ違った事はあります)。
17年前GWAでお会いした時、尊者の中国語(北京語)は少し訥々した感じでしたが、今回お会いしたら格段に進歩していて、法話は完璧な中国語で(曖昧母音である<e>の発音が若干苦手のご様子)、時々台湾語を挟んでシャレを飛ばし、ベランメー調で話されます。
いやはや、これにはびっくり。
初日(2月23日)は、受付のみで、瞑想はなく、夜8時から、尊者による法話。
参加者は女性30人、男性30人。内、テラワーダの比丘3名(法雨道場常住)、サヤレー3名、大乗の比丘1名、比丘尼3名。在家50人。
尊者:
「ここにいるのは、皆老参(=古手の修行者)だから、皆さんそれぞれ、何かしら禅病を持っている。それを直すコツは・・・」
「安般念において、息をしっかり観たい、早く悟りたい、という気持ちが勝って、精進が過ぎると、頭が痛くなったり、鼻が痛くなったりするので、必ず、精進と定のバランスをとる事。」
「精進の友達は掉挙。なんでもかんでも頑張ればよい、というものでは、ない」
私も集中すると、頬や鼻が痛くなる禅病持ちで
「尊者、この注意事項、もっと早くに聞きたかったデス!」
二日目からは、大念処経の解説と実践の説明。
尊者:
「vipassanaとは何か?vi+passana=誰も見たことのないものを見る事。
vipassanaとは、名と色の究極の状態、無常・苦・無我を観る事をいい、それ以外はvipassanaとは言わない。」
私:
「・・・これまで聞いたvipassanaの定義の内、これが一番、理に適っている」
「・・・この一言聞く為だけでも、台湾に来てよかった!」
6日目の夜
台湾人は尊者を大変に尊敬していて、GWAのお寺も、ほぼ100%、台湾人のお布施で維持されているらしい(私は17年ぶりの再会の為、この辺の事情は分からない。)
尊者:
「私は法を弘めに台湾に来るようになって、もう17年になりました。これまで、お布施が欲しいなどと一度も思った事はないけれど、毎年台湾に来る度に、両手に抱えきれない程のお布施を頂く。光栄な事ではありますが、身の縮まる思いです。」
「台湾人は、なんと仏法に篤い人々なのだろうかと、感慨深いものがあります」
「台湾はこの度、私に永住権さえも発給してくれました」
と涙ぐまれる場面も。
七日目、最後の日は、四界分別観の修行について、二時間かけて、解説されました。
尊者:
「初禅~四禅に成功した人は、四界分別観に挑戦します(色聚が四散するのを観ずる。すなわち、三種の密集の看破)。それが出来た後に、名色分別観(智)と縁起の修行に進むのです。」
「純観行者は、定力が足りない為に、縁起がよく観察できないという弱点があります。やはり、止禅を完成させて後、四界分別観や名色分別観、縁起に取り組むのが、確実であり、王道です。」
「どうか皆さん、一年か二年、修行に専念して、名色分別観(智)、縁起まで進まれますように。」
「名色分別観(智)、縁起の修行に成功した修行者は、来世は悪趣に行くことはありません」
私:
「尊者、GWAに行って修行したい意志はあるのですが、緬甸は暑くて・・・」
尊者:
「私も暑いのは苦手です。だから僧院は、浜辺を選んで建立しました。どんなに暑くても、灼熱地獄の熱さを思えば、辛抱できます。暑さに耐えて、修行しなければなりません」
私:
「(先は短いし、死ぬ気で頑張るかなぁぁ・・・優柔不断)」
5月はクムダ・セヤドーの瞑想会や禅宗(日本)の意見交流会。秋には再び台湾で、30日間の瞑想会。
今年はリトリートに頑張る年になりそうです。
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院/Pañña-adhika Sayalay 般若精舎>