Sayalay's Dhamma book

中国語で書かれた仏教書(主にテラワーダ、南伝仏教系)を日本語に翻訳して公開。たまには<般若の独り言>にて日常の心模様を独白します。                    2018年5月25日クムダ・セヤドーより初心者瞑想指導の許可を得る。

(新)般若の独り言~パオ・メソッドについて

今、仏陀の教えがお好きな方々の中で、緬甸の高僧パオ・セヤドーが提唱されたパオ・メソッドが人気です(アメリカ、ヨーロッパを含む、全世界において)。

しかし、パオ・セヤドーご本人は、ご自分の提唱する修行方法を、パオ・メソッドと呼ばれるのを嫌っています。

彼は言います:

「私は、忘れられていた仏陀の瞑想法を復興しただけ」

「偉大なのは仏陀その人だ」と。

 

パオ・セヤドーは、「サマタに沈潜することなく、vipassanaをせよ」という仏陀の教えを、文字通りにそのまま受け取って、サマタの修行を省略したまま、素の意識のままか、または遍作定または近行定などの、ゆるい定の意識状態で行う観察を vipassana だと主張していた当時の緬甸仏教界の風潮(=ラベリング修法)に疑問を感じ、経典と清浄道論を持って一人で森林に入り、仏陀の教えた修法を一つ一つ確認・実践し、仏陀の本当の教え、本当の修法を復興していき、結果、現在パオ・メソッドと呼ばれる修法を、確立したのだそうです。

緬甸から離れて遠く日本にいると、パオ・セヤドーの復興した仏陀の教法(色聚、すなわち、クオークの性質とその分裂を観察する事及び縁起、すなわち、意識を意門に集中することによって、過去世を追尾、確認する修法)が、非常に神秘的に思えて、パオの旗を振る指導者に酔心してしまう人々を多く見かけますが、仏陀の教法・・・パオ・メソッドは、決して神秘でもなんでもありません。

毎日コツコツ、安般念瞑想をされて、何時の日か、ご自身の吐く息の中の火界が見えるようになったなら(これが禅相nimitta)、必ず名色分別智、縁起へと進む事ができ、やがては阿羅漢になる事ができます。

偉大なのは仏陀です。

仏陀が、それまで誰も見たことのなかったクオークと 心心所を発見し、それら相互の関係性と、それらの内に潜む無常・苦・無我の性質を観察する修法、vipassanaを開発し、確立されたのですから。

仏陀の教えをなぞり、追尾する我々は、皆法友であり、法の仲間です。

指導者への過剰な心酔は「自分の頭で考え、理性的に、知的に修行するように」という仏陀の教えに反します(仏陀は、仏陀に心酔する余り、外出先から戻った仏陀に、いの一番に会いに来た男性修行者を、叱責しています)。

パオ・メソッドは素晴らしい教えですが、パオ・セヤドーは、ご自身の教えをパオ・メソッドと呼ばれることを嫌っています。

日本のパオ禅者は、この事実を胸に、冷静に、知性的に、智慧をもって、修行されるようお勧め致します。

なお、仏陀の教法にも、パオ・メソッドにも、<教師の握り拳>はありません。仏陀の教法に、秘法などないのです。秘法を掲げて己を飾り弟子を募る者は、商売であり、カルトです。

 <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay 般若精舎>