Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

★飛び入り翻訳~『24縁発趣論』9-2

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

■過去

一切の過去の名色法は、皆、我々の、現在の自然親依止縁になり得る。

たとえば、すでに2600年余の歴史を持つ仏陀の教えは、現在の我々仏弟子の、悪行をやめて、善行を行う(+有用な)親依止縁であり、また、我々が持戒、禅修する所の自然親依止縁でもある。

過去の影響が現在に至り、現在における縁起の一つとなり、我々をして、どのようにして悪行をやめ、善行、定の修習、観の修習を実践するかを、指導・帯動するのである。

また、たとえば、孔子の教育は、今日まですでに2500年余の歴史を持つが、それは現代においてもなお、華人の内において、伝統的文化を形成している。

人々は、いま尚、孔子の教えに基づいて、どのようにして、先輩を尊敬すればよいか、また、親戚と往来する時の礼節など等(+の知識)を、知る事ができる。

このように、古代の孔子による儒家の教育は、中華的文化の内において、一種の自然親依止縁となっているのである。

同様に、イエスの教育は、西洋の国家と人民の文化における自然親依止縁である。

一切の科学者の、過去における研究成果ーー原理、定律など等は、現代科学における研究的実践にとって、自然親依止縁となる。

我々が以前に経験した所の、目で見た所の、耳で聞いた所の、鼻で嗅いだ所の、舌で味わった所の、身体で接触した所の、二日前、二か月前、二年前、前世の、過去世の・・・、長い輪廻の内においてのあれやこれやは、我々にとって、現在の親依止縁となるのである。

(9-3につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<『24縁発趣論』スシラ・サヤレー著 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>