<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《中部・小業分別経》には、各種各様の異刹那業縁が描写されている。
例えば、ある人は非常に吝嗇で、何事にも、一銭も出したくないという時、次の世で貧困(+の家庭)に生まれる(+という類の話);
ある人は、心が広く、布施が好きで、その結果、来世は豊かになる;
ある人は、衆生に対して、慈愛が充満しており、その為、彼は来世において、姿・形が荘厳になる;
ある人は、常に瞋恚の心を生じている為、来世は(+面相が)醜くなる。
ある種の人々は、影響力を持ち、ある種の人々は、影響力が薄い。
それはなぜか?
それは嫉妬心が原因である。
嫉妬心のない人の善思は、彼をして、影響力のある人間にする。
ある種の人々は、生まれつき智慧に満ちており、ある種の人々は智慧がない。
それはなぜか?
これは、前者は過去世において、常に善知識と親しくするという業縁の種を植えた為であり、(+人生に関する)重要な問題についても、質問する勇気を持っている:
「私はどうすれば、永恒なる楽しみを得ることができるのか?どのようにすれば、智慧を強化することができるのか?どのようにすれば、すべての思を回避する事ができるのか?」
仏陀は、何度も、殺生、偸盗、邪淫と妄語は、四悪道に生まれる原因だと述べたが、しかし、それは絶対的ではない。
以下のような物語がある。
昔、スリランカに一人の国王がいて、名をVasabbaと言った。
多くの占い師が、彼の為に占いをして、国王の在位は12年間であり、12年後には崩御する、と言った。
これらの占い師は、業の様子に、各種の類型的な特徴、たとえば、面相、星の動きなどを加えて、予測したものである。
国王はこの結果を聞くと、非常に憂慮して、当時の仏教の法師たちに、解決の道を尋ねた。
あの時代、スリランカの仏教は非常に盛隆しており、法師たちは国王に、多くの東屋を建て、寺院を修復し、橋や道路を整備するなどの公益事業をして、命運を変えるように勧めた。
国王はこの忠告を聞いて、命を延ばす為に、積極的に実践した。
国王は、不断に善をおこなった為に、彼の(+国家の)統治時間もまた継続した。12年から24年、36年・・・更に長く続いたのである。
国王は、智慧と精進を通して、命運を変え、非常なる長寿を生きたのである。
二、俱生業縁
俱生業縁は、異刹那業縁ほど重要ではない。
それは「思」心所が、業縁の力でもって、己自身と同時に生まれるその他の諸法を支える事を言う。
たとえば、善速行心には34個の名法があるが、思心所のほかには、一個の心王と32個の心所、及び俱生色法がある。
ここにおいて、業縁としての”思”は、その相応する名法において、各種の作用を及ぼすが、同時にある種の色法を生起させるものである。
(14-1につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。
<『24縁発趣論』スシラ・サヤレー著 中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>