<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(三)不善心所
1、貪:
倫理学的な意味においては、貪心を言う。
心理学的には、心が物に粘着する事を言う。
ある時には、渇愛(taṇhā)とも、
ある時には、貪欲(abhijjā)とも、
ある時には、欲(kāma)とも、
ある時には愛染(rāga)とも言う。
2、瞋:
倫理学的な意味においては、憎悪・怨恨を言う。
心理学的な意味においては、心の強烈なネガティブな反応を言う。
二種の瞋がある。
すなわち、瞋恚(paṭigha)と害(byāpāda)である。
3、痴:
愚痴(=愚かで無知)な事を言う。
または哲理に富んだ事柄を理解できない事。
痴はまた、無明(avijjā)、無智(aññāna)、無見(addassana)とも言う。
上の三種は、三不善根(akusalamūla)と言う。
というのも、それらはすべての悪の根源であるが故に。
4、邪見:
物事への錯誤した見方を言う。
たとえば、無常を常と見做したり、無我を我と見做したりする事;
道徳的な行為を非道徳だと見做したり;
または業報の存在を否定するなど。
5、慢:
自大、(+過剰な)自負または錯誤的な判断を言う。
それは、名・色(nāma-rūpa)を我と見做す;
または、一人の人間の、身分的階級をもとに、相手が高尚であるか、または卑賤であるかを判断する。
(8-8につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。
<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)
Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>