Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

《Vipassanāハンドブック》8-7(F)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(三)不善心所

1、貪:

倫理学的な意味においては、貪心を言う。

心理学的には、心が物に粘着する事を言う。

ある時には、渇愛(taṇhā)とも、

ある時には、貪欲(abhijjā)とも、

ある時には、欲(kāma)とも、

ある時には愛染(rāga)とも言う。

2、瞋:

倫理学的な意味においては、憎悪・怨恨を言う。

心理学的な意味においては、心の強烈なネガティブな反応を言う。

二種の瞋がある。

すなわち、瞋恚(paṭigha)と害(byāpāda)である。

3、痴:

愚痴(=愚かで無知)な事を言う。

または哲理に富んだ事柄を理解できない事。

痴はまた、無明(avijjā)、無智(aññāna)、無見(addassana)とも言う。

上の三種は、三不善根(akusalamūla)と言う。

いうのも、それらはすべての悪の根源であるが故に。

4、邪見:

物事への錯誤した見方を言う。

たとえば、無常を常と見做したり、無我を我と見做したりする事;

道徳的な行為を非道徳だと見做したり;

または業報の存在を否定するなど。

5、慢:

自大、(+過剰な)自負または錯誤的な判断を言う。

それは、名・色(nāma-rūpa)を我と見做す;

または、一人の人間の、身分的階級をもとに、相手が高尚であるか、または卑賤であるかを判断する。

(8-8につづく)

  <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)

Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>