<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(一九)二種類の証智
abhiññāna は、超凡の知識、または非凡夫俗人が具備する所の、卓越した知的能力を言う。
二種類の証智があり、それはすなわち、寂止智(samatha-abhiññāna)と、法智である。
寂止智は、止禅の修習を通して、心を寂止せしめる事によって、得る智慧である。
寂止智は、五種類の異なった種類がある:
1、神変智(iddhividhā-abhiññāna)
2、天耳智(dibbasota-abhiññāna)
3、他心智(cetopariya-abhiññāna)
4、宿命智(pubbenivasa-abhiññāna)
5、如業所往智(yathakammupaga-abhiññāna)。
一、神変智:
飛天入地の神通を言う。
事物に対して、人を驚かす変化を齎したり、または己を別人に変化させたりする能力。
二、天耳智:
天人の如くに、極端に霊敏な聴力。
三、他心通:
他人の考えている事が分かる神通。
四、宿命通:
過去世が分かる神通。
五、如業所往智:
衆生が己自身の業に従って、異なる趣に往生する事。この種の神通を持つ者は、天人の如くに、超常の視力(天眼)を擁している。
法智(dhmma-abhiññāna)は、諸法の実相を照見することの出来る智慧を言う。
すなわち、前述した所の真諦、及びそれが具有する所の、世俗諦の範囲を超越するという特色を有する。
法智には、三種類の異なった種類がある:
1、聞所成智(sutamaya-ñāṇa):
2、思所成智(cintāmaya-ñāṇa):
推理、思考を通して得た智慧。
3、修所成智(bhāvanāmaya-ñāṇa):
修行によって得た智慧。
修所成智は、二種類に分けることができる:
1、随覚智(anubodha-ñāṇa)
2、通達智(paṭiveda-ñāṇa)
この二者の内、前者は三種類の智慧を言い、それはすなわち、無常・苦・無我への理解であり、または物事の特性を、如実に知ることができる能力である。
後者は、四聖諦を知る智慧。
この智慧を通して、煩悩の暗黒、たとえば、邪見、疑惑などの煩悩を取り除くことができる。
すでに道を証悟した人は、智慧の光を具有しており、二度と再び、煩悩の暗黒の中にない。
(20-1につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。
<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)
Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>