Sayalay's Dhamma book

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《Vipassanāハンドブック》19(F)(45/80)★

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(一九)二種類の証智

abhiññāna は、超凡の知識、または非凡夫俗人が具備する所の、卓越した知的能力を言う。

二種類の証智があり、それはすなわち、寂止智(samatha-abhiññāna)と、法智である。

寂止智は、止禅の修習を通して、心を寂止せしめる事によって、得る智慧である。

寂止智は、五種類の異なった種類がある:

1、神変智(iddhividhā-abhiññāna)

2、天耳智(dibbasota-abhiññāna)

3、他心智(cetopariya-abhiññāna)

4、宿命智(pubbenivasa-abhiññāna)

5、如業所往智(yathakammupaga-abhiññāna)。

一、神変智:

飛天入地の神通を言う。

事物に対して、人を驚かす変化を齎したり、または己を別人に変化させたりする能力。

二、天耳智:

天人の如くに、極端に霊敏な聴力。

三、他心通:

他人の考えている事が分かる神通。

四、宿命通:

過去世が分かる神通。

五、如業所往智:

衆生が己自身の業に従って、異なる趣に往生する事。この種の神通を持つ者は、天人の如くに、超常の視力(天眼)を擁している。

法智(dhmma-abhiññāna)は、諸法の実相を照見することの出来る智慧を言う。

すなわち、前述した所の真諦、及びそれが具有する所の、世俗諦の範囲を超越するという特色を有する。

法智には、三種類の異なった種類がある:

1、聞所成智(sutamaya-ñāṇa):

聴聞して得た智慧

2、思所成智(cintāmaya-ñāṇa):

推理、思考を通して得た智慧

3、修所成智(bhāvanāmaya-ñāṇa):

修行によって得た智慧

修所成智は、二種類に分けることができる:

1、随覚智(anubodha-ñāṇa)

2、通達智(paṭiveda-ñāṇa)

この二者の内、前者は三種類の智慧を言い、それはすなわち、無常・苦・無我への理解であり、または物事の特性を、如実に知ることができる能力である。

後者は、四聖諦を知る智慧

この智慧を通して、煩悩の暗黒、たとえば、邪見、疑惑などの煩悩を取り除くことができる。

すでに道を証悟した人は、智慧の光を具有しており、二度と再び、煩悩の暗黒の中にない。

(20-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī) 

Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>