<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
仏陀が述べる所の、証知しなければならない一切、遍知しなければならない一切、捨断しなければならない一切とは、何を指しているのか?
彼は解説する:
●六内処(ajjhattikāyatana):眼、耳、鼻、舌、身と意処。
●六外処(bāhirāyatana):色、音、香、味、触と法処。
●内外処が和合して生じる六識(viññāṇā):眼識、耳識、鼻識、舌識、身識と意識。
●六識と同時に生起する所の六触(phassa):眼触、耳触、鼻触、舌触、身触と意触。
●六触と同時に生起する受(vedanā):眼触、耳触、鼻触、舌触、身触と意触によって生起した楽受、苦受、不苦不楽受。(注29)
言い換えれば、仏陀は非常に明確に、禅修行者がただ、色処のみ、ただ無色処のみ、ただ六識のみ、ただ五蘊の内の一つのみ、または四念処の、その中の一つだけを対象として、観智を育成するのであれば、この修行者は、涅槃という名の門を通ることはできないのだ、と指摘しているのである。
非常に分かり易く、彼は、観の修習には、己自身自ら証する事と、五蘊のすべて、12処のすべて、四種類の念処すべてを、完全に了知しなければならないのだ、と言っているのである。
(3-58につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著 (原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>