Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』5‐9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

(十一)「流動(+性)」を識別する為に、あなたは、唾液が口の中に入って行く流動、血管の中の血液の流動、空気が肺に入る時の流動、または熱気の全身における流動を、察知する様にする。

万一、流動の性質が明確でない時、流動を識別できる様になるまで、あなたは、それを識別すると同時に、冷たさ、熱さまたは、推進を識別しなければならない。

(十二)「粘着(+性)」を識別する時、あなたは身体が、皮膚、筋肉、腱によって、一括りに凝集している様を、察知しなければならない。

血液は、皮膚に囲まれて、身体内部で維持されているが、それはちょうど、気球の中の、水の様なものである。

もし、粘着の作用がないのであれば、身体は、破片または顆粒状に分裂する。

人体が地面に吸着している所の、地心(=地球の芯)の吸引力もまたは、粘着の作用による。

もし、粘着が不鮮明である時、あなたは全身における、前に述べた、10種類の性質を、繰り返し、逐一、識別しなければならない。

熟練した後、あなたは、粘着の性質が明確になっている事に、気が付くであろう。

万一、粘着が尚も不鮮明である時、あなたは繰り返し、ただ、推進と硬さの二種類の性質に関して、専注する様、修習しなければならない。

最後に、あなたは、全身が縄で括られている様な感じがしてくるが、これが粘着(+性)である。

全身における、頭から足裏まで、非常に明確に、12種類すべての性質を、識別出来る様になったならば、あなたは引き続き、この順序に従って、それらを識別しなければならない。

己自身が、この様に緻密に修習する事に、充分満足を覚えた後、あなたは、修習のその順序を、前に述べた様な順番で行う、すなわち:硬さ、粗さ、重さ、柔らかさ、軽さ、流動、粘着、熱さ、冷たさ、支持、推進である。

この様な順序で、頭から足裏まで、あなたが相当の速度、一分内に三回転するくらいに出来る様になるまで、逐一、一つひとつの性質について、識別しなければならない。

(5-10につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>