<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《四種類の名密集の看破》
色業処の章では、三種類の色密集(rūpa ghana)について、述べた。
ここでは、四種類の名密集について、述べる。
すなわち:
1、相続密集(santati ghana)
2、構成密集(samūha ghana)
3、作用密集(kicca ghana)
4、所縁密集(ārammaṇa ghana)である。
眼門心路過程を例に取ると、もし、あなたが、その中の諸々の心を:
「これは五門転向」、
「これは眼識」、
「これは受領」、
「これは推度」
等と、如実に識別する事が出来るならば、あなたは、名相続密集を看破したのだ、と言える。
そうでないならば、それらは(=あなたの認識は)名相続密集によって、覆い隠されているのだと言える。
名法は、心の定法(citta niyāma)に基づいて生起する。
一つひとつの心識刹那の中には、それらは、一組心と心所として、出現する。
これらの組み合わせは、相応法(sampayutta dhamma)、または名聚(nāma kalāpa)と言う。
一つひとつの心識刹那の中には、最低で八個の名法がある。
例えば、眼識の刹那の中には、一個の眼識と、七個の遍一切心心所、合計 8個の名法がある。
もし、あなたが一個の心識刹那の中の、一つひとつの名法を:
「これは触」、
「これは受」、
「これは想」、
「これは識」
等と識別する事が出来るならば、あなたは已に名構成密集を看破した事になる。
そうでないならば、あなたは未だ、名構成密集に覆われていると言える。
相続密集と構成密集を看破したものの、未だ密集の作用を看破していないのであれば、あなたは引き続き、作用密集を看破する修習を続けなければならない。
例えば:「触」には、所縁と識を連結する作用があり、「(楽)受」には、相応法を引き上げる作用があり、「想」には、所縁に標記するか、または、再度「これは(+前のと)同じものである」と標記する作用があり、「思」には、構成する作用がある、など等である。
もし、あなたが一つひとつの作用を識別する事ができるならば、あなたはすでに、作用密集を看破した事になる。
そうでないならば、あなたは未だ、作用密集に覆い隠されている、と言える。
所縁密集に関して、《大疏鈔》の中において、以下の様に言う:
Tattha sārammaṇa‐dhammānaṁ
satipi ārammaṇakaraṇabhede
ekato gayhamānā
ārammaṇa ghanatāca.
この定義に基づけば、ただ「有所縁法」(所縁を取る事ができる法、sārammaṇa dhamma)という名の名法だけが、所縁密集となる事ができる。
仏陀は、究極法は、二種類に分類する事が出来る、と述べる:
1、有所縁法(所縁を取る事の出来る法)に属する心と心所。
2、無所縁法(anārammaṇa dhamma)に属する色法と、無為涅槃界(asaṅkhata nibbāna dhātu)。
所縁を取る事の出来る法とは、有所縁法であり、所縁を取る事が出来ない法は、無所縁法である。
(8-22につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>