Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』9-44

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《色所縁グループ:

速行五蘊(善グループ》

1、色蘊は依処色(54)と色所縁。

2、受蘊は速行(34)名法の中の受。

3、想蘊は速行(34)名法の中の想。

4、行蘊は速行(34)名法の中の思(第一番目)。

またはその他の31個の心所(二番目)。

5、識蘊は速行(34)名法の中の識。

五門転向色蘊の識別の方法に基づいて、速行色蘊を識別する。

速行名法は、過去因によって引き起こされたものではなく、ただ現在因によって引き起こされたものである。

故に、それらには過去因はなく、ただ現在因だけが存在している。

第一大善速行受蘊の四個の現在因:

1、依処(意門の中の54色)は因、第一大善速行受蘊は果。

2、目標(所縁)は因、第一大善速行受蘊は果。

3、a. 眼触(8)は因、第一大善速行受蘊は果。

b.第一速行意触(34-受=33)は因、第一大善速行受蘊は果。

4、如理作意(確定=12)は因、第一大善速行受蘊は果。

第一大善速行想蘊の四個の現在因:

(1)、(2)、(3a)、(4)は第一大善速行受蘊の因と同じ。

3、b. 第一速行意触(34-想=33)は因、第一大善速行想蘊は果。

第一大善速行行蘊(思:第一番目)の四個の現在因:

(1)、(2)、(3a)、(4)は第一大善速行受蘊の因と同じ。

3、b. 第一速行意触(34-思=33)は因、第一大善速行行蘊は果。

第一大善速行行蘊(31名法:二番目)の四個の現在因:

(1)、(2)、(3a)、(4)は第一大善速行受蘊の因と同じ。

3、b. その他の三名蘊第一速行意触は因、第一大善速行行蘊は果。

第一大善速行識蘊:

1、眼触(8)は因、第一大善速行識蘊は果。

2、名色は因、第一大善速行識蘊は果。

3、如理作意(確定=12)は因、第一大善速行識蘊は果。

「名」は33相応心所、「色」は54依処色と色所縁。

註:もし、速行は捨俱である時、喜(pīti)は含まれない。

故に、上に述べた34名法から喜を減じる。

もし、智不相応である場合、智を減じる。

もし、智と喜が、共に含まれない時、二者を減じる。

受、想、識を除いた、残りの心所は多くても少なくても、行蘊と呼ばれる。

 

 第二速行に関して、仏陀は《発趣論》(Paṭṭhāna、24縁)において、以下の様に教えている:

’Purimā purimā kusalā 

dhammā pacchimānaṁ 

pacchimānaṁ kusalānaṁ 

dhammānaṁ anantara 

paccayena paccayo・・・’

(《発趣論》)大意は:「前生速行は後生速行の因である(前生善業は後生善業の無間縁である)」

言い換えれば:’Yesaṁ yesaṁ dhammā tesaṁ tesaṁ dhammānaṁ anantara

paccyayena paccyo.’(《発趣論》)

この教えによると、前生心(前生名法)は後生心(後生名法)の無間縁である、という。

禅修行者は、第二速行等と彼所縁の無間縁(anantara paccaya)の識別も,、修習しなければならない。

もし、この様であれば、以下の様に問う人がいる:

「第一速行には無間縁はないのか?」と。

あるのである。

「確定」こそが第一速行の無間縁である。

しかしながら、確定は、ここにおいては如理作意と呼ばれる為、故に、ここではそれに言及しないで、第二大善速行受蘊の識別方法を挙げたのである。

同様の方法を用いて、その他の名蘊、その他の速行(第三から第七)及び、彼所縁を識別する。

一つひとつの速行と、彼所縁心識刹那が、五蘊を構成した後(+初めて)、それらを識別する事を忘れてはならない。

第二大善速行受蘊の四個の現在因:

1、依処(意門の中の54色)は因。第二大善速行受蘊は果。

2、目標(色所縁)は因、第二大善速行受蘊は果。

3、a.眼触(8)は因、第二大善速行受蘊は果。

b. 第一速行意触(34)は因、第二大善速行受蘊は果。

c. 第二速行意触(34-受=33)は因、第二大善速行受蘊は果。

4、如理作意(確定=12)は因、第二大善速行受蘊は果。

註:以下のものをよく理解する事。

第三速行の無間縁(38)は第二速行であり;

第四速行の無間縁(38)は第三速行であり;

第五速行の無間縁(38)は第四速行であり;

第六速行の無間縁(38)は第五速行であり;

第七速行の無間縁(38)は第六速行であり;

第一彼所縁の無間縁は、第七速行であり;

第二彼所縁の無間縁は、第一彼所縁である。

上に述べた解説に基づいて、(3b)は調整して後修習する事。他は類推の事。

(9-45につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>